自社ECサイトの認知度を高めるには、広告の出稿やSNSでのプロモーションなどさまざまな方法がありますが、自然検索結果からの集客を目的としたSEO対策も有効な手段の一つです。
SEO対策では、適切なキーワードの選定やオリジナルコンテンツの作成が重要になりますが、なかなか成果を上げられず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ECサイトでSEO対策が必要とされる理由やECサイトでの内部・外部SEO対策の方法について詳しく解説します。
この記事でわかること
・ECサイトでSEO対策が必要とされる理由
・ECサイトでの基本的なSEO対策
・ECサイトでのSEO対策の注意点
こんな方におすすめ
・自社ECサイトが自然検索結果の上位に表示されなくて悩んでいる
・自社にECサイトのSEO対策に詳しい人材がいない
・自社ECサイトの来訪者を増やして売上を拡大したい
1. ECサイトでSEO対策が必要とされる理由
ECサイトは一般的なWebサイトとは異なる特徴があり、SEO対策が取りにくいのが現状です。
Webサイト自体のパワーが検索エンジンの結果に大きく影響するため、自社商品・サービスに対してSEO対策を行っても、自社ECサイトが他社の大手ECサイトよりも上位表示されることは難しくなっています。
また、ECサイトは商品を販売するサイトであるため、同じ商品を販売している競合他社も似たようなコンテンツを持つ可能性が高く、コンテンツによる独自性を打ち出すことが困難です。
そのため、一般的なWebサイトと同様の対策に加え、ECサイトの特性に合わせた対策を実施することが重要です。
ECサイトのSEO対策では、競合の大手ECサイトやAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのECモールに勝つことは困難と思われている方も多いでしょう。
しかし、特にユニークな商材を扱うECサイトでは、適切なSEO対策を行うことで検索上位表示を実現することが可能です。
2. ECサイトでの基本的なSEO対策
ECサイト特有の事情を踏まえ、具体的に行うべきSEO対策の重要ポイントについて解説します。
2-1. 適切なキーワードの選定
適切なキーワードの設定は、SEO対策の基本中の基本です。
一般的には、検索された回数(検索ボリューム)を基準にキーワードを選定し、Googleの「キーワードプランナー」などのツールを使って人気度をチェックします。
■ロングテールキーワード
キーワードを選定する際には、単一キーワードではなく、より多くのキーワードを組み合わせることで、ニーズや購買意欲が明確なユーザーを獲得しやすくなります。
このようなキーワードの組み合わせはロングテールキーワードと呼ばれ、検索ボリュームは少ないものの一定の検索数が見込めます。そのため競合が少なく、上位表示を狙いやすいというメリットがあります。
キーワード戦略で上位表示が難しいECサイトには、ロングテールキーワードがおすすめです。
■競合の少ないキーワード
競合が少ないニッチなキーワードを狙うことも重要です。
狙っているキーワードに対して、競合サイトがどのくらいあるのかを確認し、競合の少ないキーワードを狙うことで上位表示を目指しやすくなります。
■CVに繋がりやすいキーワード
ECサイトの最終的な目的は、商品を購入してもらうことです。
自然検索からのセッション数が増えても、コンバージョン数(CV)が増えなければ売上アップに繋がりません。そのため、「ヘアアクセサリー 結婚式 安い」「両親へのお祝い プレゼント」など、ユーザーニーズをより細かく分析したキーワードを選定することで、コンバージョンの可能性を高められます。
2-2. オリジナルコンテンツの作成
コンテンツ施策では、競合優位性のあるオリジナリティを打ち出すことが重要です。
商品ページの強化だけでなく、ユーザーを飽きさせない情報コンテンツでECサイトを充実させることがポイントです。
SEOの観点からも、オリジナリティの高いコンテンツは検索エンジンから高く評価される傾向にあります。商品の特徴や魅力がユーザーに伝わるような「お役立ちコンテンツ」を心がけましょう。
検索順位の上位に上がるコンテンツは、ユーザーにとって有益な情報であることも大切です。
「正しく詳しく書く」「適切なボリュームでコンテンツを作成する」「箇条書きや事例を取り入れながらコンバージョンを考慮した情報を盛り込む」といったポイントに注意しながら、コンテンツを作成しましょう。
2-3. タイトルの最適化
タイトルや見出しにターゲットキーワードを入れることも重要であり、設定次第では検索順位やクリック率に影響を与えることができます。
検索エンジンは、タイトルからキーワードとコンテンツの整合性を判断すると言われており、ユーザーが最初に目にするタイトルは最も重要なポイントです。
そのため、ユーザーの興味関心を引くキーワードを設定することで、インパクトのある訴求が可能になります。また、重要なキーワードは、タイトルの前半に配置するようにしましょう。
ECサイトの場合は、購買意欲を高める言葉を入れたり、サイトの内容をイメージさせるようなタイトルにしたりする工夫も大事です。
2-4. ディスクリプションの最適化
ディスクリプションとは、検索結果画面において、タイトルの下に表示されるコンテンツの中身を説明するテキストのことです。
ECサイトにおいては、タイトルでは表現しきれない商品・サービスの魅力や、仕様などを簡潔にまとめることで、見込み顧客の興味関心を引くことができます。
ディスクリプションは、クリック率(CTR)に影響するため、ユーザーが求める情報を提供できていない場合は、早急に見直すようにしましょう。
ペルソナの悩みに共感する内容をディスクリプションの冒頭部分に書き、続いてコンテンツの内容の要約、そしてクリックを促す文言で構成するのが一般的な対策です。
2-5. URLの最適化
原則、URLの長さは検索結果に影響を与えないと言われていますが、可能な限り短く設定することが推奨されます。
ECサイトの商品ページのURLは、商品カテゴリ名・サブカテゴリ名・商品キーワードなどを記載するケースが多く、URLが長くなりがちです。
しかし、短いURLの方が長いURLよりもクリック率が高い傾向にあり、海外では商品キーワードだけのURLも増えてきています。
可能であれば英語(英数字)のキーワードのシンプルで、短いURLを使用することを検討しましょう。
3. ECサイトでの内部SEO対策
ECサイトでの内部SEO対策を行う際に、特に注意しなければならない4つのポイントを解説します。
3-1. 重複コンテンツ対策
タイトル・テキスト・構成などが似ているコンテンツが同じサイト内に存在している場合、悪質な重複コンテンツと認識され、該当するコンテンツの検索順位が下がったり検索結果に表示されなかったりすることがあります。
リスク回避を徹底するためには、重複コンテンツを極力作らないこと、Google Search Consoleで判定された重複コンテンツを削除することなどが重要です。
例えば、商品のサイズ・色・種類ごとに別々のページに掲載している場合や、Amazonなどの大手ECモールに多数掲載している場合は、意図的な操作でなくとも重複コンテンツとみなされる場合があります。
簡単な解決策としては、ひとつの商品ページで異なるサイズや色を購入できるように設計したり、サイトごとに商品ページのコンテンツに独自性を持たせて差別化を図る方法が挙げられます。
3-2. 販売終了ページ対策
ECサイトで、商品・サービスの在庫切れや販売終了を放置しておいた場合、検索結果に悪影響を及ぼすことがあります。
更新されていないページを来訪したユーザーが不快に感じたり、サイトへの興味を失ったりする可能性が高くなるため、サイトの規模に適した定期メンテナンスを行うようにしましょう。
小規模なサイトであれば、自社商品を見に来たユーザーが興味を持ちそうな代替商品を紹介するコンテンツを追加するのがユーザーフレンドリーです。
大規模なサイトの場合はページ数が膨大になり、管理が大変です。再入荷の予定がない商品については、ページを削除して404エラーを返すのが合理的と言えます。
コンテンツに有効期限があるページが多い場合は、タグで掲載期間を管理するのもおすすめです。なによりも、サイトを訪れるユーザーに不快感を与えないように設計するようにしましょう。
3-3. 内部リンクの最適化
内部リンクとは、Webサイト内の自社コンテンツ同士をつなぐリンクのことです。
代表的なものとして、関連ページ・パンくずリスト・サイトナビゲーションなどがあります。
関連性の高いページ同士が繋がっていることで、検索エンジンとユーザーの両方がサイトの内部構造を理解しやすくなるというメリットがあります。
ページのSEO対策を行う際には、サイト内に現在のページと関連性の高いページがあるかどうかを確認し、より関連性の高いページへのリンクを設置することで、ユーザビリティと検索エンジンの評価を同時に上げることもできます。
また、アンカーテキストはリンク先ページの内容を反映したシンプルなものにし、キーワードに関連したテキストを配置するとより効果的です。
内部リンクの最適化を繰り返し、将来的にサイト全体がリンクポピュラリティの高い構造になることを目指していきましょう。
3-4. ディレクトリ構造の最適化
ECサイトのSEO対策に限ったことではありませんが、ディレクトリ構造はシンプルにすることが重要です。
ディレクトリ構造とは、「トップページ」「コンテンツページ」などの繋がりや階層の構造を指します。ディレクトリ構造がシンプルであればあるほど、ECサイトの管理の負担が軽減されます。
また、SEOの観点からもクローラビリティが向上し、各ディレクトリのテーマ性を高めてSEO効果を上げることができます。
4. ECサイトでの外部SEO対策
外部SEO対策とは、サイトの第三者評価を高めるために行う対策のことです。
大きく分けると、外部リンクの獲得やSNSボタンの設置などが外部対策にあたります。
4-1. 外部被リンクの獲得
外部被リンクとは、外部サイトから自社コンテンツへ遷移するリンクのことです。
自社のコンテンツが第三者から支持されているほど、SEOの評価は高くなると言われています。
かつては、外部リンクを人為的に集めて検索順位を上げる「ブラックハットSEO」が横行していた時期もありましたが、現在ではGoogleが厳しいペナルティを課しています。
ブラックハットSEOが禁止された今、サイト運営者は外部リンクをコントロールすることができなくなりました。そのため、外部リンクを獲得するためにできることは、良質なコンテンツを継続的に発信していくことです。
良質なコンテンツは、同じ検索ニーズを持つユーザーに自然と広がり、結果的に良質な外部リンク(ナチュラルリンク)を獲得することに繋がります。
ただし、良質な外部リンクの獲得には時間がかかるため、SEOよりも早くユーザーに認知される可能性を高めるためには、SNSを活用した自発的なプロモーション活動を行うと良いでしょう。
4-2. SNSボタンの追加
自社コンテンツの引用を獲得する際に活用できるのが、Twitter・FacebookなどのSNSボタンの設置です。
引用とは、インターネット上で企業名・サイト名・ブランド名・商品などが言及されることです。例えば、「このブランドの品質が良い」「このECサイトがおすすめ」などSNSで引用してもらえることで、他のユーザーの目に止まることになります。
SNSボタンを設置するだけでなく、ECサイト上でSNSのアカウントを運用し、投稿をシェアしてもらうことも重要です。
引用の獲得は検索順位に影響する可能性があり、被リンクよりも獲得しやすいため、対策は重要と言えるでしょう。また、ユーザーによる評判・レビュー・口コミなどで生成されたコンテンツは、商品・サービスの信頼性を高め、集客や購買の後押しとなります。
5. ECサイトでのコンテンツマーケティング
ECサイトでのコンテンツマーケティングとは、集客や購買意欲向上のために、自社ブランド・商品と親和性の高いコンテンツを作成・発信することです。
コンテンツマーケティングを成功に繋げる3つの手法を解説します。
5-1. ペルソナの設定
ECサイトのマーケティングにおけるペルソナとは、サービスや商品を利用・購入する顧客のうち、「最も象徴的なユーザーのモデル」を指します。
ペルソナを詳細に設定するにあたり、自社を知らないが自社商品でニーズを満たせそうな潜在顧客、自社を知っているがまだ購入していない顕在顧客、自社商品を利用したことのある既存顧客の以下の情報をそれぞれ収集します。
・年齢
・性別
・居住地
・趣味嗜好
・ECサイト内での行動
・購入頻度
・最終購入日
・購入した商品のカテゴリーなど
上記のデータを分析し、特徴が似ている顧客をいくつかのグループに分けるセグメンテーションを行います。共通点のあるユーザーをグループ化することで、どのようなユーザーがいるのかが見えてきます。
潜在顧客と顕在顧客にどのようなユーザーがいるのかを把握することで、自社商品・サービスを認知した後に起こる購買行動を予測することが可能です。
5-2. 対策キーワードの選定
ペルソナを設定した後は、サジェストツールを使用してユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを調べます。
キーワード選定の大前提は、見込み客がコンテンツを探すときにどのような言葉や単語を入力するかを考慮することです。
ユーザーの思考や検索行動のタイミングを把握した上で、そのタイミングに沿ったキーワード候補を選定する必要があります。
自社のユーザーを意識してキーワードを選定することが重要ですが、を利用することで、さまざまなキーワードを見つけることができます。
5-3. ユーザーニーズに合ったコンテンツの作成
ユーザーの検索意図を把握しつつ、ニーズに合ったコンテンツの作成を意識しましょう。
例えば、「日本酒」のサジェストを調査したときに「飲み方」「つまみ」「アレンジ」などのキーワードがあった場合、これらに関連するコンテンツを作成することでユーザーの満足度を高められます。
ユーザーがどのようなシーンやタイミングで対象のキーワードを検索したかをイメージすることで、思考を先回りしたコンテンツを作成することが可能です。
6. ECサイトでのSEO対策の注意点
ECサイトのSEO対策で成果を上げるには、スマートフォンでの閲覧に最適化した利便性の改善や、ガイドラインを遵守した取り組みも欠かせません。
6-1. モバイルフレンドリーの対策
モバイルフレンドリーとは、Googleが2015年4月21日に全世界で実施したアルゴリズムで、モバイルフレンドリーアップデートとも呼ばれます。
簡単に説明すると、Webサイトの表示をスマートフォンでの閲覧に最適化し、モバイル検索ユーザーの利便性を向上させる取り組みです。
スマートフォンはPCに比べてディスプレイサイズが小さく、PC用に最適化されたページを表示したときにページ全体が縮小されることで、テキストが小さくなって読みにくくなります。
そこで、スマートフォンに最適化されたページを用意することで、ユーザーの満足度を犠牲にすることなく、最適な体験を提供することが可能です。
Googleが無料で提供している「モバイルフレンドリーテストツール」を利用することで、スマートフォンでの閲覧に適しているかどうかを確認できます。
6-2. ページ表示速度を改善する
ページ速度とは、目的のページに移動してからサイトが表示されるまでの時間の速さを指します。
モバイル端末の利用者が増えていることや、モバイル端末のインターネット接続速度がPCよりも遅いことを考えると、「ページ速度の表示」は重要な指標になります。
また、表示速度はSEOのランキング要因とされていることも念頭に置いておく必要があります。
ページ速度を改善するためには、画像のサイズを圧縮することが必要ですが、まずは自サイトの表示速度が健全かどうかを確認しましょう。表示速度を測定するツールを使用することで、簡単に調べることができます。
6-3. 常時SSLを設定する
ECサイトでは、クレジットカード番号などの個人情報を扱うことが多いため、セキュリティ対策は必須です。
サイトのセキュリティ対策として、「常時SSL」が採用されています。常時SSLとは、Webサイト上の通信情報を暗号化(HTTPS)して送受信する仕組みです。
GoogleはECサイトを含むすべてのページで常時SSL化を推奨しているため、早急に対策が必要です。また、SEOの評価対象にもなっているので注意が必要です。
常時SSLに対応していないサイトは安全でないサイトと判断され、URLを入力するスペースに警告が表示されます。
当然、ユーザーは安全でないサイトでの購入を避けるようになり、SEO的にも売上的にも大きな影響を与えるため、対策が必須となります。
6-4. ガイドラインを遵守する
SEOで禁止されていることをしないためには、Googleの「品質に関するガイドライン」を確認し、スパム行為とみなされるようなことは避けるべきでしょう。
そもそも、Googleはユーザーにとって有益なサイトを高く評価しており、SEOはそれを実現するための仕組みです。
小手先のテクニックで検索エンジンに対抗するのではなく、ユーザーにとって有益なサイトとはどのようなものかを考え、それを作り上げることが一番の近道です。
ECサイトの構成やコンテンツがユーザーにとって価値のあるものかどうかを常に意識して運営していけば、自然と検索順位に結果が表れることでしょう。
7. AnyMindがECサイトのSEO対策を包括的にサポートします!
SEOに強いECサイトを構築するには、オリジナルコンテンツの作成、内部リンク構造の最適化、重複コンテンツへの対応などの対策が必要です。
また、SEO対策後も、モバイルフレンドリー対応やページ速度の改善など、継続的な改善が求められます。
「AnyMind Group」では、ECサイトでの集客・顧客獲得・ファン化に繋がるSEO対策やコンテンツマーケティングをサポートしています。
自社ブランド・商品・サービスに関連するカテゴリーで検索結果の上位表示を狙いたい方は、お気軽に「AnyMind Group」にご相談ください。
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