カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、人々が生活する中で持つ思考・感情と、ブランドや商品の接点であり、ブランディングにおいて重要な役割を果たします。
この記事では、カテゴリーエントリーポイント(CEP)の効果や、ECサイトで活用する方法などを詳しく解説します。
この記事でわかること
・カテゴリーエントリーポイントの基礎知識
・カテゴリーエントリーポイントの効果
・カテゴリーエントリーポイントをECで活用する方法
こんな方におすすめ
・未顧客に対して自社ブランドの認知度を高めたい
・ECサイトの新規顧客獲得に向けた新しい施策を打ちたい
・ECサイトの広告パフォーマンスを改善したい
1. カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは
カテゴリーエントリーポイント(CEP:Category Entry Point)とは、感情や行動をもとにブランドを想起するきっかけのことです。
例えば、「運動していたら喉が乾いた」→「ポカリスエットを買おう」という風に、消費者の思考・感情から自社ブランドを想起させる接点を意味します。
1-1. エボークトセットとの関係性
エボークトセット(Evoked Set)とは、消費者が商品を購入する際に、頭の中でイメージされるブランドの集合体のことです。
例えば、コーヒーを飲みたいと感じたときに想起する、「スターバックス」「ドトール」「タリーズ」などのセットがエボークトセットにあたります。
エボークトセットを活用したマーケティングでは、消費者の記憶に残るだけではなく、購買行動に移すときに想起されるようなブランドを目指します。
カテゴリーエントリーポイントを作ることは、エボークトセットマーケティングの成功を目指す上で非常に重要です。
1-2. メンタルアベイラビリティとの関係性
メンタルアベイラビリティ(mental availability)とは、消費者が何かを購入したいと思ったときに、そのブランドが思い出されやすいことを意味します。
ブランドに関する全ての記憶がメンタルアベイラビリティにあたり、以下のようなブランド体験によって構築されます。
ブランドに関する全ての記憶がメンタルアベイラビリティにあたり、以下のようなブランド体験によって構築されます。
・対象のブランドを買った
・他人が対象のブランドを使っているのを見た
・対象のブランドの広告を見た
・対象のブランドのロゴを街中で見た
・対象のブランドの存在をSNSで知った
カテゴリーエントリーポイントは、メンタルアベイラビリティを構築するためのチャネルの役割として機能します。
2. カテゴリーエントリーポイント(CEP)の効果
カテゴリーエントリーポイントが、ブランディング戦略においてどのような効果をもたらすのかをご紹介します。
2-1. 自社ブランド・商品を想起させる接点になる
カテゴリーエントリーポイントを増やすことで、購買を検討している消費者が自社ブランドを想起する可能性が高まります。
強いブランドほどカテゴリーエントリーポイントが多いと考えられ、日常生活のさまざまなシーンで該当の商品を思い出す場面が増えます。
ただし、カテゴリーの範囲を広げすぎてしまうと、ブランド想起にスムーズに繋がらないため、注意しましょう。
2-2. ペルソナに囚われない訴求が可能
従来のブランディングでは、自社ブランドの商品を必要とするペルソナ像を細かく設定し、ペルソナに合わせてプロモーションを行うケースが多くみうけられました。
特定の消費者のみを対象としたブランディングは、時に顧客の幅を狭めてしまうこともあります。
カテゴリーエントリーポイントを意識した戦略であれば、ペルソナに囚われることなく、広範囲の潜在顧客に対して認知度向上を狙うことが可能です。
2-3. 顧客との接点が増えて売上が向上する
カテゴリーエントリーポイントを意識的に作り出すことで、ブランドと顧客の接点が増え、結果的に売上アップに繋がります。
顧客のカテゴリーエントリーポイントの出現率が増えるほど、繋がりがより強くなります。
広範囲にわたって好意的な想起を作り、特に強い繋がりを作れる接点を見つけてブランディングに活かすことが重要です。
3. ECでカテゴリーエントリーポイント(CEP)を活用する方法
ここからは、カテゴリーエントリーポイントを活用し、ECサイトの売上拡大に繋げるポイントを解説します。
3-1.5W2EのフレームワークでCEPを探る
消費者が自社ブランドを「いつ」「どこで」「どのようにイメージするか」を知るために有効なのが、5W2Eのフレームワークです。
自社ブランドと関連性のあるキーワードを上記のフレームワークに当てはめることで、カテゴリーエントリーポイントを探ることができます
さらに、ここで挙がったポイントをコンテンツマーケティングに活かすなどして、ECサイトへの入り口を広げることが可能です。
3-2. 顧客行動のゴールとブランドを結びつける
カテゴリーエントリーポイントを起点として、顧客体験の中での行動の意味を捉え、最終的なゴールを自社ブランドと結びつけることが重要です。
例えば、行動分析学に活用されるABCモデルで、行動に影響を与える先行条件と結果を整理することができます。
自社ブランドが採用される可能性が高まる顧客行動を特定することで、結果を導き出すことが可能です。
さらに、顧客によって異なる生活文脈ごとに、カテゴリーエントリーポイントをベースとした広告コミュニケーションを落とし込むことがマーケットシェアの拡大に繋がります。
3-3.自社ブランドのイメージに合うCEPで1位を狙う
自社ブランドのイメージに合うカテゴリーエントリーポイントを優先的に活用することで、顧客との接点の強化に繋がります。
カテゴリーエントリーポイントの優先順位決めは、以下の判断基準を参考にしましょう。
・メンタルアドバンテージ(自社で優位性のあるCEP)
・メンタルコンペティション(競合と結びついているCEP)
・CEPの市場規模
・CEPのライト層ー/ヘビー層の比率
自社ブランドが置かれている業界・分野によっては、ライト層とヘビー層のカテゴリーエントリーポイントが異なるケースもあります。
そのような場合、ブランドのローンチ直後にはヘビー層の比率が多いカテゴリエントリーポイント作りに注力し、普及フェーズに移行してからライト層対策をするといった戦略を立てることもできます。
3-4. シェア・浸透率をKGIに設定する
カテゴリーエントリーポイントを活用した施策では、シェアと浸透率をKGIに設定し、定期的な効果測定を行いましょう。
ECサイトでは、売上をKGI(重要目標達成指標)に設定して施策を実行するケースが多いです。
カテゴリーエントリーポイントを活用した自社ブランドの市場拡大・新規顧客獲得においては、シェアと浸透率が最も重要な指標と認識されています。
人々の生活の中で需要が発生したとき、「自社ブランドが想起される環境が整っているかどうか」を評価することに重点を置きましょう。
3-5. 未顧客層・ライト層を中心にCEPを診断する
【CEPの測定で重要なポイント】
・対象のブランドが、EC事業の成長・売上拡大を目指す上で最適な状態になっているか
・消費者の生活文脈において、需要の発生と共にブランドが想起されやすい記憶構造になっているか
・運用中の広告コミュニケーションで、特性の生活文脈で想起されやすい記録を作れているか
上記の測定は、非購買層・ライト層を中心として行います。
測定の結果から、生活文脈にブランドの連想を浸透させられているか、メンタルアベイラビリティを拡大できているかを確認し、広告コミュニケーションの改善に活かしましょう。
4. AnyMindがCEPを活用したECサイトのブランディングを支援!
カテゴリーエントリーポイントは、自社ブランドの市場拡大やECサイトの新規顧客獲得に向けた、新たな戦略として活用できます。
顧客の生活文脈から自社ブランドを想起させる機会を増やすには、投資すべきカテゴリーエントリーポイントの優先順位を決め、シェア・浸透率をKGIに設定した施策を実行するのが効果的です。
「AnyMind Group」では、ECサイトでの新規顧客獲得・リピート獲得・売上拡大に向けて、カテゴリーエントリーポイントを活用した戦略立案・広告運用・効果測定などを包括的にサポートしています。
ECのプロフェッショナルと協働し、自社ブランドの市場拡大を目指したい方は、この機会に「AnyMind Group」までお気軽にご相談ください。
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