Shopifyは2017年の日本参入以降、国内でも急速に勢いを伸ばし多くのECサイトで利用されています。簡単なECサイトなら初心者でも構築できますが、カスタマイズや高度なデザインを実装するには専門的な知識が必要で、且つ構築した後にも商品企画やマーケティング、バックオフィスの効率化など幅広い業務が伴うため、構築後の運用体制も整える必要があります。
そのため、ほとんどのD2Cブランド・EC事業者が一部ないし全部の業務を外部のプロに委託しています。一方で、制作代行会社の数が多いうえ、Shopifyについて知見がないため最適な会社を選ぶだけでも簡単ではありません。
本記事ではShopifyの制作代行の具体的なサービス内容から、アイミツ前に押さえるべき事業タイプや特徴、選び方のポイントまでご紹介します。
この記事でわかること
・Shopify制作代行に委託できる業務内容
・Shopify制作代行会社の特徴とよくある失敗
・Shopify制作代行の選定ポイント
こんな方におすすめ
・Shopifyの制作代行・構築代行を検討している方
・Shopifyへのリプレイスを検討している方
・D2Cブランド・ECサイトを運営している方
1. Shopifyとは?
Shopify(ショッピファイ)とは、カナダの企業Shopify社が展開するECサイト構築・運営サービスです。2004年のリリース後、世界各国で広がり、2021年現在では175カ国170万以上のショップに導入されています。日本国内には2017年から本格的に展開され「Furbo ドッグカメラ」「ゴーゴーカレー」「BASE FOOD」で導入されるなど、今もっとも勢いのあるECプラットフォームの1つです。
Shopifyがおすすめの事業者
・将来的に越境ECを検討している
・本格的なECサイト運営をスモールスタートしたい
・ECサイトの解析や運用業務を効率化したい
比較的低コストで導入・運用できることやカスタマイズ性・集客力にも優れていることから、すべてのECサイト運営事業者におすすめできるサービスです。また、サイトの構築・運用も容易であることから初心者にも向いているでしょう。
Shopifyのメリット
Shopifyを利用するメリットは大きく6つあります。
・比較的安く導入が可能であり、料金プランも豊富。必要な機能だけを揃えたサイト運営ができため、コストパフォーマンスに優れている
・豊富なデザインテンプレートや拡張機能アプリがあり、カスタマイズ性が高い
・多言語・多通貨決済・海外配送に対応しており、越境ECに向いている
・サブスクリプション型のサービスモデルのため、サーバーやネットワークの管理が不要
・APIによるシステム連携で、在庫管理などのバックオフィス業務が効率化できる
・SNS連携やSEO対策が可能であり、集客に強いサイトが構築できる
Shopifyには国内外でECサイトを展開するために必要な機能がすべて備わっています。さらに料金プランも豊富にあることから、利用したい機能や売上の見込みに合わせて柔軟にプランを変更することも可能です。
Shopifyのデメリット
ただし、Shopify導入には以下のようなデメリットもあります。
・一部のページや拡張機能が英語表記
・凝ったデザインにするにはコーディングが必要
Shopifyは多機能でカスタマイズ性も高い一方で、本格的に構築・運用するためには専門的な知識や人手が必要になってしまいます。そのため、Shopifyの制作代行・構築代行会社へ委託するケースがほとんどです。
Shopifyの制作代行・構築代行会社に依頼するときの流れ
Shopifyの制作代行・構築代行会社に委託するときの流れは以下の通りです。
1. 提案依頼書(RFP)の作成
2. 構築代行会社・制作会社やECプラットフォームの選定
3. 仕様設計(構築するECサイトに搭載する機能の確定)
4. デザイン作成、コーディング
5. 販売商品の登録
6. 運用テスト(決済、配送確認など)
このうち1,2,5,6については自社、3,4が制作代行・構築代行会社が対応するのが一般的です。場合によっては、コンサルティング・代行の形で一部または全てを外部委託するケースもあるでしょう。自社のリソースや予算次第ではありますが、デザイン性の高いECサイト構築を短時間で仕上げたい場合には外部委託がおすすめです。
また、集客や広告運用などマーケティングの支援まで請け負う企業に委託すれば、収益アップや事業拡大までスピーディーに進められるでしょう。
2. Shopifyの制作代行・構築代行会社のさまざまな事業タイプ
Shopifyの制作代行・構築代行会社のアイミツ前に、各会社の事業タイプを押さえておきましょう。事業タイプによって、Shopifyの制作代行のみなのか運用まで請け負うのかなど対応できる範囲が異なります。自社が外部委託したい分野に対応できる企業からアイミツをとるようにしましょう。
なお、事業タイプについて押さえておきたいポイントは「提供サービス」「メイン事業」「開発方針」の大きく3つあります。
提供サービスの違い
ポイントの1つめは、その会社が提供するサービス内容です。EC事業は、自社ECサイトができれば終わりというわけではありません。その後のECサイト保守運用・EC事業の裏方業務であるフルフィルメント・事業成長に向けた集客や販売チャネル拡大のためのマーケティングなど、必要な業務は多岐にわたってきます。Shopify制作の依頼時には、そのどの部分までを任せられるのかは押さえておきたいポイントです。
提供サービスは大きく4つに大別できます。
・【提供サービス】Shopify制作のみ
1つめはShopify ECサイト制作代行サービスのみの場合です。ECサイト制作に特化しているため、制作後の保守運用は自社で行うか他の会社に委託する必要があります。物流サービスについては、つながりのある物流関係の会社を紹介してもらえるケースもあります。
メリット | コストを抑えて比較的早くECサイトを構築できる |
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デメリット | 制作以外の業務は自社で行うか他の会社に委託する必要がある |
おすすめのD2C・EC事業者 | ECサイトの保守運用が自社リソースで可能、もしくは最低限のコストでECサイトを開設したい事業者 |
・【提供サービス】Shopify制作 + 保守運用
2つめはShopify ECサイト制作代行と保守運用サービスの場合です。ECサイト制作だけでなく保守運用まで請け負うため、セキュリティ対策やシステムアップデートの対応といった面倒な管理は不要になります。
ただし、物流業務や顧客対応などは対応範囲外なので注意が必要です。
メリット | 比較的コストを抑えて、ECサイトの運営ができる |
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デメリット | 物流業務や顧客対応などは自社で行わなければならない |
おすすめのD2C・EC事業者 | 物流業務などが自社リソースで可能、もしくはECサイトの制作・保守運用さえできれば十分な事業者 |
・【提供サービス】Shopify制作 + フルフィルメントサービス
3つめはShopify ECサイト制作代行後のフィルメントサービスの場合です。物流業務だけでなく顧客対応や決済サービスまでの一連の業務がパッケージ化されています。これにより業務効率化や配送までのスピードアップが期待できます。
メリット | 業務効率化や物流サービス品質の向上による顧客満足度アップが期待できる |
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デメリット | 一定のコストがかかる |
おすすめのD2C・EC事業者 | 物流業務や顧客対応にリソースが割かれている、もしくはECサイト運営を本格化したいが自社リソースが足りない事業者 |
<サービス例>
> 物流アウトソーシングサービス
倉庫業務や配送業務といった一連の物流サービスを代行するサービス。ECサイト運営事業が拡大化するにつれて、多くの企業が直面する物流業務の負担を解決できます。
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> フルフィルメントサービス
物流業務だけでなく、注文後の顧客対応や決済サービスなど商品が届くまでの一連の業務を委託することで人件費を削減することができます。ECサイト運営事業者が本来注力すべきマーケティング戦略や販売促進に労力を割くことができるのは大きなメリットでしょう。
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・【提供サービス】Shopify制作 + フルフィルメント/マーケティングサポート
4つめはShopify ECサイト制作代行後の事業成長支援サービスの場合です。広告やSNSなどのプロモーションを請け負います。また、競合サービスの分析や各販促施策の検証などのコンサルティング業務にも対応している場合が多いです。
メリット | ECサイト制作後の収益化をスムーズに進めることができる |
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おすすめのD2C・EC事業者 | ECサイト運営を本格化したいが、自社にEC特化のマーケティング・事業成長のためのノウハウが乏しい事業者 |
<サービス例>
> 仕入れ・生産のサプライヤーサービス
商品の仕入れや生産を代行するサービス。よりサイト運営や商品企画に自社リソースを割くことができます。
> ECマーケティング
SEO対策、各種ネット広告の運用、有効なECモールでの販路拡大、アクセスデータ解析など、WEBマーケティングに加えてECに特化した支援を行います。特に実店舗を持たない場合にはECサイトでいかに集客できるかが重要です。
> CRMマーケティング
顧客データを管理するCRM(Customer Relationship Management)を活用したマーケティング・カスタマーサポートを行います。顧客1人ひとりの購買履歴などから最適なコミュニケーション設計を行うことで、LTV(顧客生涯価値)の最大化につなげます。
> インフルエンサーマーケティング(ギフティング)
SNSで多数のフォロワーを持つ「インフルエンサー」を起用したマーケティングを行います。ブランドに最適なインフルエンサーを探し、社会人とは異なる時間軸でのコミュニケーション(夜や土日の返信が多い)を継続的に行い、投稿ディレクションも行うなど、業務内容は意外と広くなっています。ECとインフルエンサーマーケティングは非常に相性が良いため、ノウハウや実績のある企業への委託がおすすめです。
> 越境EC・越境展開サポート
越境ECを展開するにあたって多くのECサイト運営事業者を悩ませる多言語・多通貨決済・フルフィルメントの対応を行います。急成長を続ける世界のEC市場への関心が高まる一方、越境によって発生する言語や決済などの問題をフォローできる体制が自社にないケースが大半です。プロに戦略設計から実行までを任せれば、安心して越境展開を進めることができます。
企業の収益の柱である【メイン事業】の違い
ポイントの2つめは、その会社の収益の柱である「メイン事業」です。メイン事業に会社独自の強みがあるケースが多いため、自社が注力したい分野に詳しい制作会社に委託することができます。
また、その会社がこれから積極的に投資する領域もメイン事業と関連性が高いと予測がつきます。今後自社が伸ばしたい領域に対して、最新の技術や知識を提供してくれるパートナーとなってくれるでしょう。特に継続的な委託を検討するなら、このように中長期的な視点から制作会社を選ぶことも重要です。
Shopifyの制作代行会社は数多くありますが、メイン事業ごとに分けると以下の3通りになります。
・【メイン事業】Shopify特化のEC制作 + 保守運用
1つめは、メイン事業が「Shopify ECサイトの制作代行と保守運用に特化」したタイプです。制作や保守運用が委託できれば十分という方には、比較的低コストで委託できるため向いているでしょう。
相性の良い制作会社を見つけることができれば、クオリティの高いサイトを制作・運用してくれます。
メリット | コストを抑えられる |
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デメリット | カスタマイズやマーケティング施策は自社で行う必要がある |
おすすめのD2C・EC事業者 | 自社にノウハウがあり、ECサイトさえあれば売上を伸ばせる自信がある事業者 |
・【メイン事業】ブランディングやウェブ制作
2つめは、メイン事業が「ブランディングやデザイン・ウェブ制作」のタイプで、一般的に WEB制作会社 と言われる企業です。デザインやサイト構築に関して高い技術力を持っていることが多く、デザイン性を追求したい方には向いています。
一方で、EC事業のフルフィルメント効率化や事業成長に関するノウハウが豊富ではないケースも多いです。
メリット | デザイン・カスタマイズ性の高いサイト制作が可能 |
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デメリット | フルフィルメントやマーケティング施策は自社で行う必要がある |
おすすめのD2C・EC事業者 | 技術面以外のサイト運営のノウハウが自社にある事業者 |
・【メイン事業】Shopify関連のプロダクトやサービス提供(イネーブラー)
3つめは、メイン事業が「D2C・EC関連のプロダクトやサービス提供」のタイプです。近年は「ECイネーブラー(Enabler)」と呼ばれており、EC事業に必要な一連の業務やシステムのすべて、もしくは一部をサポートする企業です。Shopifyのエコシステムに属している企業が多いです。
物流システム/サービスや決済システム/サービスを提供する会社が、Shopify制作代行も行っているケースなどが当てはまります。提供サービス関連のノウハウはもちろん、EC運営全般についてある程度ノウハウを持っている場合も多く、パートナーとしてShopify制作を委託したい方に向いているでしょう。
メリット | Shopify構築だけではなく、提供サービス関連の領域に関して豊富なノウハウを得られる |
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デメリット | 比較的コストが高い |
おすすめのD2C・EC事業者 | サイト制作にコストをかける余裕がある事業者 |
制作代行会社の【開発方針】の違い
制作代行会社を選ぶポイントの3つめは、その会社の開発方針です。会社によっては社内で開発している場合もあれば外部に委託している場合もあります。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します
・【開発方針】社内で開発する
フロントの企業が、その企業のリソースのみを用いてShopify制作を行うタイプです。ECサイト制作においては、要件定義やスケジュールのすり合わせが重要です。制作会社が社内で開発する場合、比較的ミスコミュニケーションが起きにくいため、期待通りのサイトが納期までに納品されやすいです。
メリット | ミスコミュニケーションが起きにくく、納期までに期待通りのサイトが納品されやすい |
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デメリット | 比較的コストが高い場合が多い |
おすすめのD2C・EC事業者 | サイト制作にコストをかける余裕がある事業者 |
・【開発方針】個人事業主・フリーランスなどに開発を委託する
一方で、自社で開発体制を整えるには人件費が高くつくため、別の二次受け制作会社やフリーランスへ依頼する企業もあります。WEBディレクションとShopifyのノウハウさえあれば、外部リソースを活用することで低コストで制作を請け負うことができるためです。
このタイプの場合、フロント企業のディレクターのスキルがそのまま納品物の品質に関わって来るため、しっかりと確認する必要があります。実際に開発を行うエンジニアのスキルがピンキリなのは言うまでもないですが、このタイプで事業を長く続けている企業の場合は、スキルのある開発者をネットワーク化しており開発スキルは担保されていることが多いです。また、ディレクションのスキルを蓄積しており、一定の質が担保されていることも増えてきています。
メリット | コストが安い |
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デメリット | ・フロント担当者のディレクションスキルで品質が異なる ・実際にサイト制作を請け負う人のスキルが低い可能性や、ミスコミュニケーションのリスクがある |
おすすめのD2C・EC事業者 | サイト制作にあまりコストをかけられない事業者 |
3. Shopifyの制作代行・構築代行のメリット
ここまでShopify制作代行を依頼するときの具体的な流れや事業タイプについて解説してきました。Shopifyを利用すれば専門的な知識がない人でもECサイトを簡単に構築できるため、わざわざ委託する必要があるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
ここからはShopify制作を委託するメリットを4つご紹介します。
・Shopify制作会社のノウハウやスキルを活用できる
・運用代行や事業成長、越境展開などもサポートを受けられる
・自社リソースをコア業務に注力させられる
・固定費(WEBディレクターやエンジニアの人件費)の削減ができる
Shopify制作会社のノウハウやスキルを活用できる
Shopifyは初心者でもECサイトを構築できますが、自社のブランドイメージに合うUI/UXやアプリ追加/設定、各種システム連携など専門的な知識がないと難しい場合もあります。
Shopify制作を委託することで、彼らのノウハウやスキルをそのまま活用することができるため、自社で調査する工数なく高品質なShopifyサイトの構築・運用を期待できます。
運用代行や事業成長、越境展開などもサポートを受けられる
ShopifyをはじめとするEC運営には、自社ECサイトの構築・運用に加えて、物流業務や顧客対応、プロモーションなど莫大な時間と労力が必要です。越境進出時には、進出先の国・地域に最適な多言語対応や多通貨決済対応なども必要となります。
これらをすべて自社リソースでカバーするのは現実的ではありません。それぞれの専門的知識を持つ人材を採用するのにも時間も費用も工数もかかります。Shopify制作代行会社の多くが、運用や越境展開などの強みを持っています。制作以外の業務はオプションとして個別で依頼できることが多いため、自社の戦略に応じたサポートを受けることができます。
自社リソースをコア業務に注力させられる
ShopifyでECサイトを構築する目的は様々で、
・実店舗を運用していて販売チャネル拡大として自社ECサイトを構築するため
・D2Cブランド事業として0から自社ECサイトを構築するため
・LTV向上のために、顧客情報を元に施策を最適化するため
などかと思います。
いずれの場合も、事業成長のためにやるべきことで優先順位が高いのは売上に繋がるマーケティング領域になるため、物流・カスタマーサポートなどのフルフィルメント領域はできるだけ効率化・外注するのが鉄則です。
その中でもECサイト制作には時間がかかるため、専門のエキスパートに委託することで、優先順位の高いコア業務に注力することができます。
固定費(WEBディレクターやエンジニアの人件費)の削減ができる
Shopifyの構築はプロジェクト体制で行われるような大掛かりなものとなるため、自社のリソースだけで進めようとするとWEBディレクターやエンジニアのリソースを確保したり、新たに採用が必要な場合もあります。Shopifyの制作業務だけのために採用すると人件費が無駄にかかってしまうことにもなりかねません。制作会社に委託することで、変動費として柔軟に調整することができます。
4. Shopifyの制作代行・構築代行のデメリット
Shopifyの制作代行を利用することで、事業拡大の加速化や自社リソースの最適化ができる一方で、少なからずデメリットもあります。
・制作費用がかかる
・構築・制作までに想定以上に時間がかかることがある
・機密情報が外部に漏れる恐れがある
制作費用がかかる
当然ですが、Shopify制作代行費用がかかります。費用の目安は実装する機能・仕様・デザインなど委託内容によって大きく変わり、20万〜数百万ほどです。特に、大規模サイトで他ECカートからのリプレイスや、自社の基幹システムと連携する場合には、独自開発項目の発生で1,000万円近く費用がかかる場合もあります。
・対策方法
制作会社と相談しながら削れるコストを洗いだしましょう。例えば、サイトのページテンプレ数を削減したり、共通コンポーネントを作成するなどして、開発範囲を削減することもできます。また最初の要件定義では、「今すぐ必要ないが今後使いたい機能」が含まれている事が多いため、「EC事業に必要最低限の機能」に絞ってスモールスタートすることも重要です。
構築・制作までに想定以上に時間がかかることがある
Shopifyを用いたECサイトの構築は非常に需要があり、制作代行会社が受け持つ案件の数が多くスケジュールに空きがない場合もあります。希望のスケジュール通りに進められる制作会社を探すのに時間がかかる事態も発生します。
・対策方法
依頼時に余裕を持ったスケジュールを組んでおくことで、トラブルが発生してもリリース予定に間に合うよう調整できるでしょう。それでも間に合わない場合には、EC事業の運営に必要不可欠な優先順位の高い機能から実装してもらい、残りの機能はリリース後に段階的に実装するのが好ましいです。
また、自社で画像や文言などの素材を用意するのに時間をとられる場合も考えられます。例えば導入企業のロゴを掲載するためには、事前に導入企業の広報担当への確認が必要です。担当者はこのような事情を考慮して、各関係者と早めに連絡をとり前倒しで素材を用意できると良いでしょう。
機密情報が外部に漏れる恐れがある
Shopifyを希望通りに制作してもらうためには、制作代行会社に自社の販売戦略などの機密情報を伝える必要があります。制作代行会社が競合の制作も受け持っている場合には、競合に機密情報が漏れてしまう可能性もゼロではありません。
・対策方法
機密情報を渡すまえに、制作会社と機密保持契約(NDA)を必ず締結しましょう。加えて、実際の情報管理体制について確認することも重要です。具体的には情報管理のルールやセキュリティ対策などを一通り確認しておくと良いでしょう。
5. Shopifyの制作代行・構築代行の利用時によくある失敗と、失敗しないための対策ポイント
Shopifyの制作代行・構築代行の利用時によくある失敗とその対策をご紹介します。利用前にそれぞれ押さえておくことで、予想外のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
・「ShopifyでECサイトは準備できたが、売上が伸びない」
・「運用しにくいワークフローになった」
・「使われない機能を実装していた」
・「必要な機能が足りていなかった」
「ShopifyでECサイトは準備できたが、売上が伸びない」
Shopifyに限らずECサイトを構築した後、よくある失敗の1つは売上の伸び悩みです。莫大な時間と労力をかけたにも関わらず売上が伸びないと、事業計画にも支障が出てしまいます。多くの場合、ECサイトの構築が目的になってしまっており、構築後の運用体制まで考えられていないことが要因として挙げられます。
・対策ポイント1:事業成長のための運用体制を考えておく
ECサイトを構築する一番の目的は売上の拡大です。そのためにはサイト構築だけでなく、サイトの訪問者を増やしたり、訪問者の購入率を上げたりする施策を打つ必要があります。さらに注文が増えたときの物流や顧客対応の体制も整えておかなければなりません。
EC事業を成長させるためには、少なくない初期投資コストがかかります。自社のリソースや予算でまかなえるのか、まかなえない場合にはどこで折り合いをつけるのか検討しておくことが重要です。
・対策ポイント2:運用代行/事業成長支援もワンストップで行うShopify制作代行会社を選ぶ
これまでご紹介した通り、ECサイトの運用代行や事業成長の施策には莫大な手間がかかります。自社のリソースだけで進めることは現実的に厳しい場合が多いです。
Shopify構築後、なるべく早く成果を上げるにはプロの手を借りることがおすすめです。運用代行や事業成長サポートをワンストップで行う制作会社を選べば、事業計画の軌道にのせる可能性を上げられます。予算の都合上、継続的なサポートの依頼は難しい場合には、ノウハウを学んで将来的に内製化することも視野に入れましょう。
「運用しにくいワークフローになった」「使われない機能を実装していた」「必要な機能が足りていなかった」
よくある失敗の2つめは、サイト構築前に想定していなかった問題が浮上することです。サイト構築前の仕様設計が甘かったり、担当者との認識齟齬が起きていると、自社のワークフローと合わなかったり、機能の過不足が起きてしまったりします。実際に運用し始めてから気付くケースが多く、納品後に開発費用が追加でかかってしまったという事例はよくあります。
・対策ポイント1:仕様設計で抜け漏れがないようにECサイトに必要な機能を精査して優先順位を決めておく
ECサイト制作を成功させる最大のカギは仕様設計とコミュニケーションです。制作会社に丸投げするのではなく、制作会社と綿密にすり合わせながら制作を進めましょう。発注前に各関係者にヒアリングをして、現状の業務フローを作成し、それをもとに必要な機能や優先順位を決めておくと予想外のトラブルは起きにくくなります。
・対策ポイント2:構築代行・制作代行会社の選定をしっかりと行う
制作代行会社は数多くあり、自社に合う会社を選ぶだけでも大変です。しかし、単にコストが安いというような理由で選んでしまうと、仕様設計が曖昧なまま進められてしまったり技術力が乏しく期待はずれの仕上がりになってしまったりする可能性があります。
サイトの品質はプロジェクトオーナー、もしくはディレクターのノウハウと推進力に大きく左右されます。制作会社の担当がその役割を担うことが多いため、打ち合わせ時には担当者の理解力や技術面の知見があるかを見定めましょう。
6. Shopifyの制作代行・構築代行会社の選定時に確認するべき5つのポイント
では、Shopifyの制作代行・構築代行会社の選定時にどのようなことを確認すべきでしょうか。具体的な5つのポイントをそれぞれご紹介します。
・Shopify ECサイトの制作実績
・D2C・EC運営の解像度の高さ(自社でもShopifyを運営しているか)
・Shopify公認のShopify Expertsに認定されているか
・内製化された開発チームがあるか
・サービス内容とコストは適正か
Shopify ECサイトの制作実績
進出してから劇的に制作数が増えており、Shopify制作を手掛ける会社も増えています。Shopify運営ノウハウや押さえておくべきポイントの知識にも差があるため、Shopifyのアプリに関する知識や、過去の実績がリニューアルなのか一から開発したのかなどは押さえておきましょう。
D2C・EC運営の解像度の高さ(自社でもShopifyを運営しているか)
D2Cブランド・EC事業の運営に対する解像度の高さは確認しておきたいポイントです。Shopify運用に関することは自社ですべてまかなえるため、制作会社にはShopify構築だけ依頼出来ればいい、という事業者は少なく、制作会社からShopify運用のポイントや第三者を紹介してもらうことが多いです。
Shopify運用の効率化・フルフィルメントの効率化・ECプロモーションなど各領域についての専門性があるに越したことはないため、運営に最適なアプリ・機能の提案や、効率的な運用設計などを積極的に提案してくれる制作会社が望ましいでしょう。
自社でもShopifyでD2C・ECを運営している場合は実務面への理解も深いので、現場スタッフの使いやすさや効率的な運用を考慮した提案や仕上がりが期待できます。
Shopify公認のShopify Expertsに認定されているか
Shopifyには、Shopifyが公認したShopifyパートナーという認定制度がありますが、この中でさらに審査を通過したパートナーがShopify Expertsとして認定されています。Shopifyについて高度な知見や技術力がある証明になり、安心して任せることができるでしょう。
内製化された開発チームがあるか
ShopifyのECサイト開発に対する、制作会社のディレクターの理解度をはかるのに役に立ちます。全案件を自社開発している制作会社よりも、二次制作会社に案件を紹介している会社が圧倒的に多く、その場合はミスコミュニケーションによる仕様の間違いや納期遅延などのトラブルに繋がる可能性もありますが、それよりも懸念すべきなのは、案件を進める担当ディレクターの経験やノウハウになります。
開発チームを社内で内製化している場合、制作の一部を外部に依頼していたとしても、社内での開発チームとのコミュニケーションが円滑でノウハウが蓄積されていることが多く、技術的な面からもフィードバックを受けてディレクターの理解度が深い可能性が高いです。
サービス内容とコストは適正か
当然ですが、サービス内容とコストが見合うものなのか必ずチェックしましょう。サイト構築後の文言の修正に2週間もかかってしまったり、環境設定やスマホ対応で追加費用を請求されたりするなど契約内容に関わるトラブルが起こりやすいです。
見積もりのそれぞれの内訳が相場の費用か、また委託したい内容に抜け漏れがないかなど確認しましょう。
7. AnyMindは、D2C・EC運営に必要なすべてをワンストップでサポート
AnyMindはD2Cブランド・ECサイトの運営を支援するパートナーとして、さまざまな面からお客様をサポートします。最後にAnyMindの特徴を4つご紹介します。
Shopify Expertsであり、内製化した開発チームにより豊富な制作実績をもつ
AnyMindは自社ECサイト構築を一気通貫で支援する「AnyShop」のローンチに伴い、2020年10月にShopify Expertsに認定されました。開発体制もほとんどを内製化しており、安心してご利用いただくことができます。
東証一部上場企業のShopify制作を手がけるなど、ベンチャーから大手企業まで幅広い事業体の方々から評価もいただいてる点も強みです。
国内外で自社D2Cブランド・クリエイターD2Cブランドを40以上運営
国内の人気YouTuberプロデュースD2Cブランドをはじめ、東南アジアのインフルエンサーを起用したD2Cブランドを40以上運営しています。若い女子学生向けのコスメやアパレル、ジュエリーからトレーニングウェアまで幅広いジャンルを取り扱っており、現場スタッフの実運用含めたShopify運営のノウハウを元にShopify構築提案ができる点が特徴です。
EC運営 のフルフィルメント(物流含む)、マーケティング領域のサービス
Shopify運営に行うの必要な二大機能、受注管理・物流・カスタマーサポートなどのバックエンドを担う「フルフィルメント」の領域、ECサイトのUI/UX・商品企画・EC集客などのフロントエンドを担う「マーケティング」の領域をすべてサポートするサービスを提供しています。
自社開発プロダクトや他社アプリケーション含め、お客様に最適なご提案が可能です。
<Shopifyに関連する代表的な事例>
・LYFT
https://lyft-fit.com/
日本有数のフィットネスインフルエンサー・エドワード加藤氏が手がけるD2Cフィットネスブランド「LÝFT(リフト)」。ECサイトの定期購買対応なども行っています。
・ギズ屋台 by ギズモード
https://yatai.gizmodo.jp/
世界最大級のガジェット・ブログ『GIZMODO』の日本版に当たるギズモード ・ジャパン編集部が運営するセレクトショップ「ギズ屋台」のトータルサポートを行っています。
・Refa Singapore
https://refa.com.sg/
株式会社MTGが手がける人気の美顔ローラー「Refa」のシンガポール展開やECモールの運用を行っています。各国・各市場に精通したプロフェッショナルスタッフのサポートにより、自社ECサイトの構築・運用から、現地ECモールの運用やマーケティングまで幅広い支援を請け負っています。
<AnyMindが提供しているサービス例>
・Shopify制作・運用
・ECモールのアカウント開設・運用
・SNSおよびインフルエンサーマーケティング
・広告運用代行
・物流支援
・カスタマーサービス
・生産・仕入先の発見と生産
AnyMindはShopify Expertsとして認定されており、D2Cブランド・ECサイトの運営に必要なすべてをサポートします。ぜひ一度お問い合わせください。
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