適正在庫を維持することは『欠品による販売機会の損失』『過剰在庫によるコスト増』を防ぐために必要不可欠です。
適正在庫についての詳しい説明や算出方法に関しては、こちらの記事でもご紹介しています。
適正在庫とは?在庫管理に不可欠な適正在庫の考え方や求め方、安全在庫との違いまでご紹介
Oct 7, 2021
この記事では在庫をコントロールする方法やポイントをご紹介します。
- 在庫管理における適正在庫の維持とは
- 【ポイント1】在庫を減らす
- 【ポイント2】在庫充填方法「定期発注」「定量発注」の使い分け
- 【ポイント3】生産・製造リードタイムの短縮
- 【ポイント4】需要予測の精度向上
- 【ポイント5】定期的な見直し
- 【ポイント6】”自社に最適な” 在庫管理システムの導入
INDEX
1. 在庫管理における適正在庫の維持とは
在庫管理を徹底し、適正な在庫水準を維持する仕組みづくりはブランドビジネスにとって必要不可欠です。
在庫を余分に保有することで欠品のリスクが低下し、即日納品の対応が可能になって取引先や顧客の満足度向上につなげることができます。 しかし、在庫が過剰になると、コストが嵩み経営をひっ迫する事態になりかねません。
適正在庫の維持には大きく下記2つのステップがあります。
1-1. 在庫超過/在庫不足の状態から適正在庫に持っていく 1-2. 適正在庫を維持し続ける
ここからは、その方法について紹介していきます。
2. 【ポイント1】在庫を減らす
在庫管理をおこなう上で、最初に抱える問題の多くは過剰在庫です。 理由は、在庫管理がうまくできていない場合「現在の商品の在庫数が分からないので、欠品になるくらいなら多めに在庫を確保しておくほうが良い」という思考が働きやすいからです。
過剰在庫を減らして適正在庫に近づけていくことは、在庫管理の精度向上のために一番初めに行うべき最も重要なことであり、企業経営を健全化するための第一歩になります。
ここでは2つの在庫削減方法を説明します。
2-1. 入荷の数量削減と回数増加
入荷数を減らし、出荷数を増加させることで、抱える在庫数を削減します。
2-2. 生産サイクルの細分化
生産サイクルを細分化することで、リードタイムの精度向上に繋がり、適正在庫を持てるようになります。
3. 【ポイント2】在庫充填方法「定期発注」「定量発注」の使い分け
在庫を充填する発注方法としては、「定期発注」「定量発注」の2つの方法があります。
3-1. 定期発注
定期発注は、発注量を固定せず、発注する間隔を一定の期間(たとえば、週に1回や月に1回など)に定めておく在庫充填方法です。
発注の都度、現在の在庫量や需要量に応じて発注量を計算して発注するので、高価であっても需要が予測しやすい品目に向いた手法であるといわれています。
3-2. 定量発注
定量発注は、発注の間隔を固定せず、在庫量があらかじめ定められた水準(発注点)まで下がったとき、あらかじめ決めておいた一定量を発注する在庫充填方法です。
品目が多くても対応しやすく、比較的安価で需要変動の少ない標準品や汎用製品などに向いているといわれています。
4. 【ポイント3】生産・製造リードタイムの短縮
生産・製造リードタイムの種類、短縮のメリットについて、以下に説明します。
4-1. リードタイムの種類
発注リードタイム
- 工程の始まりから終わりまでの所要期間
生産・製造リードタイム
- 原材料から製造工程を経て、製品として出荷されるまでのすべての時間の合計
出荷リードタイム
- 出荷オーダーを受領してから、物流センターで商品をピッキング、梱包、出荷(トラックへの積み込み)するまでの時間
トータルリードタイム
- 組織や生産現場での改善や変革の対象領域において、個々の工程のリードタイム(所要時間)のすべての合計
計画リードタイム
- 計画・立案をするために必要な期間の合計
4-2. 生産リードタイム短縮のメリット
生産リードタイムは、リードタイムの中でも、特にさまざまな方法が取れる方法の1つです。
生産リードタイムの短縮を図ることで、在庫を減らしつつ、コスト削減に繋げることが出来ます。
4-3. 生産リードタイム短縮のチェックポイント
生産リードタイム短縮の方法ですが、以下のようなアイデアが考えられます。
- モノの置き方を改善して作業の効率化を図る
- 明確な順序で工程管理を組み、整流化を促す
- 人員配置を見直し他工数待ちにする
- 各作業員の業務を確認(段取りの無駄を無くす)
- 機械の更新(新型や別メーカーの購入)
5. 【ポイント4】需要予測の精度向上
需要予測の精度向上は、在庫削減や適正化をする上で重要です。
5-1. 需要予測精度向上によるメリット
在庫管理の精度向上
- 欠品による販売機会の損失と、過剰在庫を防ぎ、売上増に繋がります。
理論的な生産管理計画を立てられる
- 理論的な生産計画を立てることで、作業負担、稼働の無駄を削減し、コストを抑えることに繋がります。
6. 【ポイント5】定期的な見直し
自社の適正在庫を知ることはとても大切ですが、在庫保有量と販売量を常に完全に一致させることは現実的には不可能です。
顧客のニーズ・事業の成長に合わせて受注量は変化するため、需要変動を読み、欠品や過剰在庫にならないよう、定期的に適正在庫を見直す必要があります。
7. 【ポイント6】”自社に最適な” 在庫管理システムの導入
在庫管理をする物量が増えるにつれ、Excelのみでの管理では処理が困難になります。 在庫管理システムを導入することで、作業時間の短縮、業務効率化につながります。
さらに、業務を標準化し、社内で「なにが・どこに・どれくらいあるのか」が明確になると、作業にかかる手間や時間、人件費等の削減にもつながります。 例えば棚卸作業をする際、在庫管理システムとハンディターミナルを連携・活用することによって、バーコードを読み取るだけで見間違い・書き間違い・入力間違いなどの人的ミスをなくすことができます。
また、現在の在庫数・在庫状況を把握できるだけでなく、出荷状況も把握することができるため、リアルタイムに在庫状況を可視化することが可能になり、適正な在庫を把握することができます。
在庫管理システムを選ぶポイントは、『現場のニーズに合ったものを選ぶ』ことです。 ブランドの商材カテゴリや業態によっても分けられますが、ここでは企業規模で3つに分けてご紹介します。
- 大企業・グローバル企業向け
- 中堅企業向け
- 小規模事業者・スタートアップ向け
7-1. 大企業・グローバル企業向け
多言語対応しており、世界中の拠点において稼働実績があることが求められます。
また、365日、24時間体制にわたるエンジニアサービス体制が整っていることも重要です。
7-2. 中堅企業向け
柔軟なカスタマイズ性が求められます。 中堅企業は高い成長スピードを誇り、常に消費者のニーズに合わせた物流の変化が求められるからです。
7-3. 小規模事業者・スタートアップ向け
初期投資を抑えられ、システム拡張が出来るものが良いです。 導入時は標準機能に絞ってシステム化し、自社の成長に合わせてオプションを追加出来るものを選ぶことが、選択肢に挙げられます。
8. まとめ
適正在庫を維持するためには、 1. 在庫超過/在庫不足の状態から適正在庫に持っていく 2. 適正在庫を維持し続ける という2ステップがあります。
在庫を充填する発注方法としては、「定期発注」「定量発注」の2つの方法があります。
在庫管理をする上で、最初に抱える問題の多くは過剰在庫です。在庫を削減する方法には、入荷の数量削減と回数増加、生産サイクルの細分化、リードタイムの短縮などが挙げられます。
また、需要予測の精度を上げることも、在庫削減、欠品防止に繋がります。
これらの手順を、顧客のニーズ・事業の成長に合わせて柔軟に対応するために、定期的に見直すことが、適正在庫を維持するためには必要です。
自社に最適な在庫管理システムを導入することで、在庫管理の効率化、精度向上を図ることが出来ます。 現在の在庫数がリアルタイムで可視化出来るため、適正な在庫数か把握し易くなります。
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