在庫管理の精度向上と効率化のためにも、まずは多くの企業が陥っている慢性的な課題を2つご紹介します。
【課題1】常に棚卸差異がある
前章でご紹介した「実地在庫」と「帳簿在庫」の在庫数が一致していないという課題です。
※前回記事「在庫管理の業務プロセスとは?棚卸の種類や前提プロセスをご紹介」をご覧いただけていない方はこちらから
在庫管理の業務プロセスとは?棚卸の種類や前提プロセスをご紹介
原因はいくつかあるものの情物一致が徹底出来ていないのが原因で、どちらもタイミングや方法が異なるだけで人が手作業でカウントしているものであり、また棚卸を実施するブランド規模だと在庫数も多いため、常に100%一致させることは簡単ではありません。 特にEC物流だと返品数も多く、倉庫側で検品マニュアルと在庫としての再計上ワークフローが整っていない場合もこの数値のズレに影響してきます。
手作業が発生する限り差異ゼロは難しいですが、大きなズレが発生するとさまざまな悪影響があるため、出来るだけこの差異をゼロに近づけていく(=在庫精度を向上させる)ことが重要です
例えば実地在庫が帳簿在庫よりも少ない場合は「棚卸減耗(棚卸差損)」と呼ばれ、売上原価が正しく計上できなくなり経営に悪影響を与えてしまいます。
在庫精度の指標は、「棚卸誤差率」という実地在庫と帳簿在庫の差分度合いで測定できます。
「棚卸誤差率が低い」=「在庫精度が高い」といえます。 この棚卸誤差率を低くしていくことが在庫管理の精度向上のための第一歩で、目安としては、絶対値が10%を超えている場合は早急に改善が必要です。
【課題2】常に過剰在庫がある(過剰在庫が減らない)
棚卸誤差率の高いブランドは、過剰在庫を常に抱えているという共通点があります。 これは棚卸誤差率の高さが過剰在庫に直結しているというわけではなく、このようなマイナスのサイクルが回ってしまっている事が多いです。
- 在庫管理の精度が低い(=棚卸誤差率が高い)
- 在庫不足への不安が残り発注量が多くなる
- 在庫過剰により不良在庫も増える
- ますます棚卸誤差率が高くなる
このような課題を解決するためにも、まずは在庫管理の精度改善から始め、プラスのサイクルに変えていくことが重要となります。
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