ECコンサルとは？業務内容や選定ポイントまで詳しくご紹介

1. ECコンサルとは

ECコンサルとは、ECモールや自社ECサイトの売上・利益率アップ、アクセス数の向上、戦略の立案や見直しなど、ECの運営を改善するための提案/実行をすることです。

ECコンサルティングを行う事業者やECコンサルタントとして活躍する人材は、もともとECサイトやECモールでの豊富な経験や実績を持つ場合が多いことが特徴です。

2. ECコンサルの業務内容

ECコンサルの業務内容は、以下のように多岐にわたります。ここからは、ECコンサルの基本的な業務内容について詳しく解説します。

2-1. EC戦略の立案・見直し

ECコンサルの基本となるサービスが、EC戦略の立案や見直しです。

クライアントへのヒアリングを行い、ブランドコンセプトや商品・サービスについての理解を深めた上で、分析や目的達成のための戦略の立案・見直しを提案します。

具体的には、取り扱っている商品・サービスに合ったECチャネル（Amazonや楽天市場などのモール、自社ECサイトなど）の検討、戦術（導線、ボトルネックの把握）、リソースの分配（チーム体制、広告配信コストなど）の見直しなどです。

提案後も、方向性が間違っていないかの確認や細かなすり合わせをし、事業者と協力し合ってECサイトの成長を目指します。

2-2. 市場調査・競合調査

競合の多いECサイト運営において売上を安定させ、事業を拡大していくためには、市場調査や競合調査が欠かせません。

しかし、これらの調査にはECサイトのノウハウが求められるため、ECコンサルが市場調査や競合調査を行い、調査結果に合わせて集客施策や展開方法のアドバイスを行います。

移り変わりの激しいEC市場では、市場調査や競合調査が非常に重要となります。

2-3. ECモール運用の改善

ECモールとは、大きなモールの中に複数のショップがある、オンライン上のショッピングモールのようなサイトのことです。日本国内では、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングが有名です。

ECモールは自社ECサイトとは違った集客特性があり、さらに、モールごとの特徴も異なります。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどそれぞれのモールに合わせた戦略を立て、運用していく必要があります。

ECコンサルでは、各ECモールに合わせた具体的な改善策の提案や、モール展開のための助言も行います。

2-4. 自社ECサイトの分析・改善

ECコンサルでは、自社ECサイトの分析や改善についてのアドバイスも行います。

売上を増やし、規模を大きくしていくためには分析や改善を積み重ねていく必要がありますが、自社ECサイトの分析は、現状に応じたKPIの設定、改善のための施策、効果測定、さらなる改善というPDCAを効率的に回す必要があるため、十分な対応ができていないケースも少なくありません。

UIや離脱率、サイトの構造や視線誘導、使用されている画像はブランドコンセプトに合っているかなど、さまざまな角度から自社ECサイトを分析して改善案を提案し、コンバージョン数増加を目指します。

ECコンサルの中には、自社ECサイト構築のサポートや代行サービスを提供しているところもあります。

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2-5. 集客の改善

ECサイトの売上を向上させるためには、集客の改善は必須です。

SNS運用、SEO、Web広告、メルマガ配信など集客手法は多様化しています。ノウハウがなければそれぞれの手法で綿密な戦略を立て、成果につなげることは難しいです。

ECコンサルは、さまざまな集客方法から取捨選択し、施策の実行まで行います。

2-6. プロジェクト進行管理

複雑化し大規模化している現代のECプロジェクトをうまく回すためにはプロジェクトマネジメントが重要です。ECコンサルは、ECサイトの分析や改善、運用に関するアドバイスだけでなく、プロジェクト全体の進行管理も行います。

ECサイトやWebに詳しくない場合でも、ECコンサルがプロジェクト全体をサポートし、進行していくことで、プロジェクトが円滑に進行しやすくなります。

3. ECコンサルの種類

ECコンサルは、大きく以下の4種類に分けられます。
・トータルサポート型
・各ECモール特化型
・自社ECサイト・D2C特化型
・越境EC特化型

3-1. トータルサポート型

トータルサポート型は、ECサイトの構築、市場調査、分析や改善、集客などECサイトを全面的にサポートするタイプのECコンサルです。

ECに関する豊富な知識やノウハウを活かし、パートナーのような存在として一緒にECサイトを成長させていきます。自社スタッフの人員や時間を削減できることも、トータルサポート型のメリットです。

ECサイト構築から依頼できるため、これから立ち上げを考えている場合や、ECサイト運営のノウハウを全く持っていない場合におすすめです。

3-2. 各ECモール特化型

各ECモール特化型は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモールに特化したECコンサルです。競合がひしめき合うモールの中で結果を出し、勝ち残っていくための改善策や戦略の提案を行います。

モールごとに特性が異なるため、各モールで同じ問題点を抱えていても、解決のアプローチは異なることがほとんどです。ECコンサルは、専門的な知識を活かし、現状を客観的に分析することで問題点を洗い出し、具体的な改善策を提案します。

ECモールに出店・出品したものの成果をあげられずに伸び悩んでいる場合や、複数チャネルへの展開を考えている場合におすすめです。

3-3. 自社ECサイト・D2C特化型

自社ECサイト・D2C特化型は、問屋や小売業者を介さない自社ECサイト（D2C）に特化したタイプのECコンサルです。

自社ECサイトはブランディングを自社で行えるため、ブランドコンセプトや世界観を顧客に伝えることができ、ブランドロイヤルティを高められるなどのメリットがあります。一方で、モールに比べると集客が難しいことが一番の課題です。

自社ECサイト・D2C特化型のECコンサルでは、自社ECサイト構築からマーケティング、集客などを行い、自社ECサイトの成長をサポートします。

3-4. 越境EC特化型

近年では、日本国内から海外の顧客に向けた集客ができる越境ECを展開する事業者も少なくありません。

アメリカや中国などでは、日本以上にECビジネスが広く浸透し、需要が高まっています。海外の巨大な市場への参入は大きなメリットが期待できる一方で、言語の壁や関税の問題、日本とは異なるサービス展開の方法などの課題があり、越境展開後も苦戦するケースが多いようです。

越境EC特化型のコンサルでは、海外の市場調査や集客に精通した人材がコンサルティングを行い、海外展開をサポートします。

4. ECコンサルに依頼できる具体的な運用

ECコンサルに依頼できる業務は多岐にわたります。トータルなコンサルティングに抵抗があれば、まずは自社が抱えている課題や目的に合わせ、部分的なコンサルティングを受けるのもいいでしょう。

4-1. SNSマーケティング

SNSを活用したSNSマーケティングも、ECコンサルに依頼できる業務の一つです。

SNSは無料で始められるため費用を抑えて手軽に導入できるものの、日々のSNSアカウントの運営・管理には手間や人的コストがかかります。また、効果的に運用するためにはノウハウも求められます。

まず、InstagramやTwitterなどのSNSの中から自社商品・サービスに合い、ターゲット層を含むSNSを選定する必要があり、その後も施策の効果検証や改善を繰り返すなど、効果を出すためには経験や知識が重要です。

SNSアカウントを運営しているにもかかわらずなかなか成果につなげられない場合は、ECコンサルに依頼するのも一つの方法でしょう。

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4-2. SNS広告・Web広告の最適化

ECサイトの重要な集客方法である、SNS広告やWeb広告。誰でも簡単に出稿できることはメリットですが、思ったような効果が出ないことも少なくありません。

広告で効果を出すためには予算、ターゲティング、広告配信エリアなどの設定が重要となり、さらに戦略的なクリエイティブのABテスト、ランディングページ（LP）の作成および最適化、その後の効果検証などが必要です。

ECコンサルでは、このような広告の最適化も行います。「自社でSNS広告やWeb広告を運用し始めたのに効果が出ない」と悩んでいる方は一度、ECコンサルに相談してみるといいかもしれません。

4-3. SEO・コンテンツマーケティング

SEO（検索エンジン最適化）やコンテンツマーケティングも、ECコンサルに依頼できる業務の一つです。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際の検索順位は、自社ECサイトの訪問者数に大きく影響します。しかし、検索エンジンで上位表示させるためにはブログなどのコンテンツやサイト構造の最適化が必要になり、専門知識が求められます。

また、Googleは検索結果を改善するためのアップデートを定期的に行っているため、これに合わせて適宜修正を行います。

4-4. 離脱率の改善やカゴ落ち対策

ECサイトの離脱率やカゴ落ちに対する対策は、ECサイト運営において非常に重要です。

離脱率とはあるページを訪れたユーザーが他のページに移動することなく閲覧をやめた割合のことで、ページが見にくい、コンテンツ内容がニーズに合っていない、表示速度が遅いなどによって高くなります。

カゴ落ちはカート放棄やカート落ちとも呼ばれ、顧客が商品をショッピングカートに入れたものの、購入せずにサイトを離脱してしまうことを意味する言葉です。カゴ落ちは売上に直接影響する部分であるため、早急な改善が求められます。

ECコンサルでは、何が原因となって離脱率の上昇やカゴ落ちが起きているのかを分析して問題を特定し、有効な改善策を提案することで対策を行います。

4-5. メルマガ・キャンペーン施策

ECコンサルは、メルマガ配信による集客や、さまざまなキャンペーン施策についての助言も行います。

メルマガでは、商品や店舗の魅力、セール訴求などを行いますが、開封されずに削除されてしまう可能性もあります。そのため、件名・内容・送信のタイミングなどを最適化することが必要です。

また、キャンペーン施策の提案や助言も行います。自社ECサイトでのキャンペーンの実施は、顧客生涯価値（LTV）の向上や既存顧客のロイヤリティにつながる重要な施策です。

購入率を高めたい場合は送料無料キャンペーンやクーポン配布キャンペーン、季節やイベントと紐付けた期間限定セール。商品やブランドの認知度を高めたい場合にはSNSアカウントと連動したキャンペーンなど、目的に合わせたキャンペーンを行うことが大切です。

また、モールで実施されるキャンペーンに合わせた施策の提案や助言なども行います。

5. ECコンサルに依頼するメリット

ここからは、ECコンサルに依頼するメリットをご紹介します。

5-1. 自社ビジネス・サービスに最適なEC戦略を策定できる

ECコンサルに依頼すれば、自社ビジネスやサービス、現在抱えている課題、達成したい目標などに合わせたEC戦略を策定できることがメリットです。

単にECサイトといっても、取り扱う商品・サービスはそれぞれの企業で異なります。

ECサイトの効果的な運営方法は、展開するビジネスや事業戦略によっても異なるため、自社に最適な戦略を立てる必要があり、ECサイト運営に関するノウハウや知識が求められます。

ECコンサルは、ECサイトのプロであり専門家です。一社一社の商品やサービス、ブランドコンセプト、事業戦略などについて詳しくヒアリングを行った上で、自社に最適なEC戦略を立案してもらえるでしょう。

自社にECサイト運営のノウハウがある場合でも、なかなか自社の欠点や課題には気づけないことがあります。ECコンサルのような第三者の専門家の視点から客観的に見てもらうことで、新たな改善策が浮かび上がってくるかもしれません。

5-2. ECサイトの構築から運用に至るまで任せられる

トータルサポート型のECコンサルであれば、ECサイトの構築から運用まですべて一貫したサポートを受けることも可能です。

自社商品やサービスに合わせて一からECサイト構築、戦略立案、集客、分析や改善を行っていくため、高い費用対効果が期待できます。

ECサイトの構築・運用には、時間と人手が必要であるため、すべての業務を自社で完結させるには、多くのコストを割かなければなりません。ECコンサルに依頼することで、コスト・手間の大幅な削減が可能になります。

5-3. 自社にEC運営のノウハウがなくとも売上アップにつなげられる

ECサイトの需要は日本だけではなく世界的に高まっていますが、EC運営のノウハウを持たない企業も少なくありません。

ECコンサルに依頼すれば、自社にEC運営ノウハウが全くない場合でも、すぐに効果的なEC運営のための施策が開始でき、売上アップにつなげていけるでしょう。

また、広告などは最適化することで、無駄なコストを削減できる可能性もあります。無駄を省き、問題点を改善することで、よりよいECサイト作りができるでしょう。

6. 企業の規模に応じたECコンサルの選び方

取り扱う商品・サービスにもよりますが、ECサイトは「複数ECチャネル展開」が基本です。

多くのECチャネルに展開する上では、各ECチャネルでの運用最適化が求められます。越境ECを含めてトータルで依頼できるECコンサルは少ないため、選び方のポイントを押さえ、最適なパートナーを選定することが重要です。

ここからは、企業の規模に応じたECコンサルの選び方について解説します。

6-1. 中小企業の場合

中小企業の場合、エグゼキューション（進行管理）はできるが、ECサイト運営ノウハウが不足しているため、意思決定の質を上げたい、というニーズが強い傾向にあります。

そのため、中小企業の場合はECコンサルを家庭教師としてノウハウ学び、それを元に自分たちでサイトの改善を行っていく方法が適切です。

ECサイトの運営をトータルで任せる場合は費用が高額になりますが、売上アップのための具体的な施策やノウハウの助言を受け、それを自分たちで実践する形であれば限られた予算の中で、効果的な対策が行えるでしょう。

6-2. 大手・中堅企業の場合

大手企業や中堅企業の場合、エグゼキューション自体のニーズが強くなります。

ECサイト運営のノウハウを持った担当者がいる企業も少なくありませんが、大規模なプロジェクトとなることが多く、プロジェクト全体の進行管理が重要となってきます。

そのためコンサルティングだけでなく、ECサイトの運用代行など実務もしっかりこなせるECコンサルを選ぶことが大切です。

7. ECサイトのコンサルはAnyMindにお任せください！

ECコンサルに依頼できる業務内容はEC戦略の立案や市場・競合調査、自社サイトやECモールの分析・改善、集客の改善など幅広く、トータルサポート型の場合は、ECサイト構築から運用まであらゆるサポートが受けられます。

伸び悩んでいるECサイトの売上を増加させたい、自社ECサイトの集客を増やしたいなどの課題を抱えている場合は、ECコンサルの活用が有効です。

「AnyMind Group」では、越境を含めECサイト運営に関するあらゆる業務のトータルなコンサルティングを行い、ECビジネスの成長をサポートしています。

ECサイトの構築から戦略の立案、分析、プロジェクト進行管理まで一貫したコンサルティングも可能ですので、効果的なECサイト運営を行いたい方は、ぜひ「AnyMind Group」にご相談ください。