D2Cブランド・EC事業の運営において、フルフィルメント全体の品質向上と業務効率化は必須となっており、そのために注目されているのがOMSです。OMSはオーダーマネジメントシステムの略称で日本語では注文管理システムと略されます。主にECサイトに入力された注文情報を管理し、在庫管理、入金管理、お客様への注文管理メールまでを一括管理するシステムを指しています。
本記事ではOMSを導入することで得られるメリット・デメリットを紹介し、実際にOMSを選定するポイントを紹介します。
この記事で分かること
- システム導入によるメリット・デメリット
- 選定ポイント
- OMSとEMS・WMSの違い
こんな方におすすめ
- OMSについて知りたい方
- OMSの選定ポイントが知りたい方
- OMSとは
- OMS登場の背景とEC運営における重要性
- 混同されがちなOMSとEMS・WMSとの違い
- OMS導入によるメリット
- OMS導入によるデメリット
- OMSの選定ポイント
- EC事業者には「受注・出荷・在庫管理」をすべて搭載している「物流管理プラットフォーム」がおすすめ
INDEX
1. OMSとは
OMSとはOrder Management System(オーダーマネジメントシステム)の略称で、日本語では受注管理システム・注文管理システムと呼ばれています。
OMSとは注文を受けたときにどの在庫拠点からいつ出荷して納品するべきかという最適解を導いて実行してくれる仕組みです。中でもEC領域では特に注文情報を管理し、入金管理、注文管理メールまでを合理的に一括管理ができて、在庫管理システムと連携して業務を効率化できるものもあります。
OMSを活用することで、今までのオンラインとオフラインで分けられていた管理システムは必要がなくなります。オンラインとオフラインの境界をなくすことができるのがOMSです。
2. OMS登場の背景とEC運営における重要性
OMSが登場する背景にはECカート、複数ECモールへの出店やオフラインでの販売など、別々で管理が必要な顧客情報・商品情報・在庫情報・注文情報を一元管理する必要があります。
ECの領域が伸びてくるにしたがって、ECモールも複数運営する機会も増えてきており、受注管理・注文管理をシステム化する必要性が増してきています。OMS WMSを連携することで商品の自動出荷を実現できます。複数のEC運営を行うのであれば欠かせないシステムです。
3. OMSと混同されがちなEMS・WMSとの違い
OMSとよく間違えられる言葉の中に「EMS」と「WMS」があります。「EMS」と「WMS」はシステムかどうかという観点では同じですが、それ以外の意味では近くなく、本質的にも表面的にも意味が異なります。
ここからはOMSと間違えられるEMS・WMSとのそれぞれの違いについて解説します。
3-1. OMSとEMSの違い
EMSはExecution Management Systemの略です。取引執行管理システムという証券用語です。OMSはカバーする範囲が異なります。
OMSは証券取引においてもEMS含めさまざまなシステムを一括で管理します。EMSは主にトレーディング業務のみをサポートするシステムです。
こうしたことから、EMSはOMSの中にあるシステムの一つということになります。
3-2. OMSとWMSの違い
WMSはWarehouse Management Systemの略で、日本語で「倉庫管理システム」のことです。OMSとWMSでは、管理する情報の範囲と目的が異なっています。
EC領域を例にすると、OMSは注文情報から在庫情報などを管理して、大量の注文情報をさばいて購入者に早く正確に商品をお届けできるように業務効率化などを行います。
一方、WMSは倉庫での入庫・出庫を含めた在庫情報や保管場所、出荷情報を管理して、大量の在庫と出荷指示を捌いて倉庫内オペレーションの業務効率化などを行います。 この管理する情報と目的がWMSとの違いです。
4. OMS導入によるメリット
OMSを導入することで受注管理の自動化と複数チャネルの受注情報の一元化によって、さまざまなメリットを得ることができます。ここからはOMSを導入するメリットについて紹介します。
4-1. 受注〜出荷の自動化
OMSを導入することで受注から出荷までの作業を自動化することが可能です。倉庫システムのWMS一体型となっているOMSとWMSの機能を兼ね備えたシステム、もしくはOMSとWMSを連携することによって自動出荷が実現できます。注文から出荷まで一元管理しており、出荷指示まですることが可能です。
4-2. 人的ミスの削減
これまで人がマニュアルで行っていた住所と郵便番号の一致確認などの作業をシステムで自動的に処理することができて、人的に対応する処理項目の数も削減することができるので、結果的に人的ミスが削減できます。
4-3. 業務の効率化
注文管理から出荷まで自動化することで人的ミスの削減や業務の自動化に繋がります。管理業務の作業工数がなくなる分、他の業務にも集中できるので業務の効率化ができます。
4-4. 工数の削減
作業を自動化することで作業工数が削減され、人的ミスも削減できます。
4-5. コストの削減
作業工数が削減できることから作業工数にかかるコストを削減できます。また、人的ミスも削減できるので、さらに作業工数分のコスト削減になります。
4-6. 顧客体験・顧客満足度の向上
作業を自動化するので商品出荷までの品質も安定化することができます。商品出荷の品質を担保することができるので顧客満足度の向上に繋がります。
4-7. 注力領域へリソースを投下できる
注力領域へリソースを投下することができます。自動化することで業務効率が上がり、作業工数が削減されます。その結果、空いたリソースで注力すべき領域へリソースを投下することができます。
4-8. リアルタイムでの在庫管理
リアルタイムで在庫管理をすることができます。注文情報と出荷 管理までを行うので、商品の在庫状況もリアルタイムで管理することができます。
5. OMS導入によるデメリット
OMSを導入することでメリットはたくさんありますが、逆にデメリットももちろんあります。ここからはOMSを導入するデメリットを紹介します。
5-1. システム利用料の発生
システム利用料が発生します。便利なシステムですが、その分利用料が発生してしまい、ランニングコストがかかります。
5-2. ワークフローの修正が必要
新たなシステムを導入する場合、既存ワークフローの修正が必要になります。システムを導入すると注文情報と出荷情報を自動化することができますが、自動化するためには、これまでの業務を平準化させる必要があります。
業務平準化をするためにワークフローの見直しをする必要が出てくるのがデメリットです。
6. OMSの選定ポイント
便利なシステムではありますが、ソフトによって自社にとって合わないものも出てきます。ここからはOMSを選定するポイントを紹介します。
- システムでどこまでの機能が使用できるのか
- EC特化で受注〜出荷の自動化が可能か
- 連携したいECカート・ECモールへ接続できるか
- 自社のワークフローに適しているかどうか
- データの拡張性
- システムの使いやすさ・操作性
- サービスとしてのカスタマーサポート体制
- サービスとして代行業務も行っているか
- 料金プラン
6-1. システムでどこまでの機能が使用できるのか
OMSを選定する上でシステムがどこまでの機能が使用できるかを確認することが大切です。システムを導入してみたけど、思っていたような機能が使えないということが発生する場合があります。
システムを導入する上でどこまでの機能が必要なのかを整理して、必要な機能を提供してくれるシステムを選定しましょう。
6-2. EC特化で受注〜出荷の自動化が可能か
ECに特化したシステムかどうかを確認して選定しましょう。ECでOMSを使用するのであればECに特化したシステムの方が必要な機能が揃っていることが多いので良いでしょう。
ECに特化したシステムであれば商品注文から出荷まで自動化することが可能なことが多いです。ECに特化したシステムを選定しましょう。
6-3. 連携したいECカート・ECモールへ接続できるか
連携したいECカート・ECモールがあれば、接続ができるのかをシステムを選定する基準にしましょう。連携したいECカート・ECモールがあるのに、連携できないと使い勝手が悪くなってしまいます。連携したいECカート・ECモールへ接続可能かどうかを選定するときの基準にしましょう。
6-4. 自社のワークフローに適しているかどうか
自社のワークフローに適しているかを基準にOMSを選定すると良いでしょう。自社のワークフローに適しているシステムだと、導入後すぐにOMSの効果を実感することができます。自社のワークフローを確認して、最適なシステムを選定しましょう。
6-5. データの拡張性
データの拡張性があるかどうかを基準に選定しましょう。システムを活用していくうちに、さまざまな新しいサービスがリリースされてきます。新しいサービスに対応できるように、データに拡張性があるかどうかをシステム選定の基準にしてみましょう。
6-6. システムの使いやすさ・操作性
システムが使いやすくて、操作性が良いかどうかを選定基準におきましょう。実際に使用して使いにくいと導入しても使われなくなります。システムを導入するのであれば、使いやすくて操作性が良いか導入前に試してみるのも良いでしょう。
6-7. サービスとしてのカスタマーサポート体制
サービスとして、カスタマーサポート体制が整っているかを選定の基準にすると良いでしょう。導入後、使い方がわからないところやエラーが発生することも起こり得ます。そんなときにカスタマーサポートが充実していればすぐに解消するこができます。
6-8. サービスとして代行業務も行っているか
サービスとして代行業務をしてくれるかを選定基準に入れると良いでしょう。システムを導入しても、中には自分で対応しなくてはいけない発送業務も出てくることが考えられます。イレギュラーな発送業務であっても対応してくれるような代行業務までやっているかも選定基準に入れると良いでしょう。
6-9. 料金プラン
選定時、料金プランは適切かどうかを検討しましょう。お金をかければそれなりに良いサービスを受けられて快適であることは間違いありませんが、コストが増えて赤字になってしまっては本末転倒です。
料金プランが適正なものであり、投資したコストに対してリターンがどの程度得られるかを計算した上で選定しましょう。
7. EC事業者には「受注・出荷・在庫管理」をすべて搭載している「物流管理プラットフォーム」がおすすめ
EC事業者がOMSを導入するなら「物流管理プラットフォーム」がおすすめです。「物流管理プラットフォーム」は受注・在庫・出荷の3つの機能を軸にEC販売をサポートしてくれます。
受注・在庫・出荷の機能は重要ではありますが、煩雑になりがちです。「物流管理プラットフォーム」を導入することで煩雑になりがちな3つの機能を効率的にオペレーションすることができます。
効率的なオペレーション体制の構築のためには、受注管理システム、在庫管理システム、出荷管理システムなどを連携する必要があるため、最初からすべてが一つになった物流管理システムを選ぶのがおすすめです。
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