EC物流代行サービスの種類は様々で、3PL・フルフィルメント、受注代行・発送代行・通販代行など、切り方や事業体によって呼び方が異なっています。 いろんな名前があり混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
購入者とのオフライン接点が物流だけになりがちなD2Cブランド・EC事業にとって、この物流代行サービスの選び方は特に重要です。
まずはそれぞれの違いを理解して、自社に最適な事業体を絞り込み、その事業体の中から自社の体現したいEC物流の形を実現できるサービスを選んではいかがでしょう。
提供しているサービスの業務範囲などの違いによって、下記のように分けられます。
- 3PLサービス
- 3PL①運用代行型 – 業務代行のみ
- 3PL②自己運用型 – システム提供のみ
- 3PL③運用代行型 – システム提供+業務代行
- フルフィルメントサービス
- 物流管理システムの種類
- 自社に最適な代行サービスを活用しよう
INDEX
1. 3PLサービス
3PL(3rd Party Logistics、サードパーティロジスティクス)はその名の通り、「第三者の立場」から「物流」業務を代行している事業体です。
どの業界でも「1st Party ●●●」「3st Party ●●●」という概念や名前があり、最もよく聞く馴染みのあるのはデータに関するもので 「1st Party Data(組織が自社で保有しているユーザーデータ)」 「3rd Party Data(第三者が保有しているユーザーデータ)」 ではないでしょうか。
ここでは、 「1st」が自社組織、「2nd」がユーザー、「3rd」が他社を指しています。
物流の場合でも、 「1st」がブランド、「2nd」が購入者(もしくは倉庫・配送業者などの物流パートナー)、「3rd」が他社と考えると、第三者的立場にいる事業者が物流をサポートしているというイメージが付きやすいのではないでしょうか。
倉庫サービスのみ、配送サービスのみなどではなく、第三者の立場なためそのサービス内容も様々で、システム提供・業務代行の有無によって、大きく3タイプに分けられます。
物流代行なし
物流代行あり
システム提供なし
–
①運用代行型 (業務代行のみ)
システム提供あり
②自己運用型 (システム提供のみ)
③運用代行型 (システム提供+業務代行)
D2Cブランドの戦略やアセットなどにもよりますが、 EC物流においては、システム提供ありの「運用代行型」「自己運用型」の2つがEC物流において選ばれやすいようです。 EC物流に特化した物流管理システムを提供していることが理由です。
2. 3PL①運用代行型(業務代行のみ)
業務代行のみの運用代行型サービスは、システム提供は行わず、物流における業務の代行を行っています。
メリット
- システム移行やワークフローの変更工数が発生しない
- 煩雑な物流業務をプロにお任せできる
- 自社で回りきらない業務だけを比較的安価に外注できる
デメリット
- 物流管理システム未導入の場合、別途システムを契約する必要がある
- オンボーディングに工数が発生する
こんな企業におすすめ
- 自社開発システムなど、既に自社のオペレーションフローにシステムが組み込まれている企業
- 業務効率化や、固定費計上のオペレーションコストを変動費化したい企業
3. 3PL②自己運用型(システム提供のみ)
システム提供のみの自己運用型は、物流管理システムのみを提供しており、物流業務のオペレーションは荷主が自ら行います。
メリット
- 自社でシステムを開発する必要がない
デメリット
- 自社に在庫保管機能がない場合は、倉庫を選定・契約する必要がある
- EC物流特有の業務に対応した「EC物流倉庫」を探す必要がある
- 倉庫・配送業者と別々にコミュニケーションが発生する
こんな企業におすすめ
- 人手は足りていて、エクセル管理を脱却してシステム導入を検討している企業
4. 3PL③運用代行型(システム提供+業務代行)
システム提供と業務代行の運用代行型は、EC物流に特化したシステムの提供と、商品保管・配送業務などEC物流に必要な業務をワンストップで提供しています。
EC特有の業務に対応できるEC物流倉庫もネットワーク化されており、近年EC事業者に最も人気のある事業体です。
メリット
- EC物流の知識がなくても、物流品質を担保してブランド運営ができる
- コミュニケーションの一本化でコミュニケーションコストが削減できる
- コスト削減ができる
- ECサイト改善や販促など別業務に注力できる
デメリット
- 倉庫内オペレーションの柔軟性が低下する可能性がある
- 配送業者を選択できない可能性がある
こんな企業におすすめ
- 月間の出荷数が数百〜数十万個のD2Cブランド企業
5. フルフィルメントサービス
フルフィルメントサービスは、英単語「fulfillment(実現・遂行・達成などの意)」の意味の通り、EC運営における仕入れ〜お届けまでのすべての機能・業務代行を提供しています。
第三者の立場からサービス提供している点では3rd Partyですが、業務範囲では、「3PL(3rd Party “Logistics”)」が “物流” 業務限定なのに対して、フルフィルメントは “物流” にとどまらないため「フルフィルメント」と呼ばれています。
EC特化の物流管理システムを提供しているサービスもあります。
フルフィルメント業務
- ECサイト構築・保守・運用
- 仕入れ・生産
- 注文受付(受注管理)
- 決済処理・決済確認
- 在庫の保管(在庫管理)
- 配送(出荷管理)
- 返品交換対応
- クレーム対応
- カスタマーサポート
- 顧客データ管理
- CRM運用
- マーケティング
- 越境EC対応
メリット
- 高品質なフルフィルメントを実現できる
- 3PLへの外注よりも少ない工数でD2Cブランドを運営できる
- コミュニケーションの一本化でコミュニケーションコストが削減できる
デメリット
- 倉庫内オペレーションの柔軟性が低下する可能性がある
- 配送業者を選択できない可能性がある
こんな企業におすすめ
- 月間の出荷数が数百〜数十万個のD2Cブランド企業
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6. 物流管理システムの種類
また、提供されている物流管理システムも様々な種類があり、自社に最適なタイプや機能を選定することが重要です。
物流管理システムのタイプ
- オンプレミス型
- パッケージ型
- クラウド型
7. 物流管理システムの機能
- 受注管理システム(OMS: Order Management System)
- 倉庫管理システム(WMS: Warehouse Management System)
- 在庫管理システム(Inventory Management System)
- 出荷管理システム(TMS: Transportation Management System) など
物流管理システムについて、詳しくはこちらでご紹介しています。
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7. 自社に最適な代行サービスを活用しよう
代行サービスにも3PL・フルフィルメントと業務範囲などにより複数種類があり、またその中でもたくさんの事業者がサービスを提供しています。
事業者によって得意不得意はあるので、自社D2Cブランドの戦略・フェーズ・商材に最適な業者を選定することが重要です。
こちらでは、EC物流サービス・物流アウトソーシング時の選定ポイントについてご紹介しています。
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自社に最適な業者を選定するにもある程度の物流知識は必要なため、ぜひお気軽にご相談ください。
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