TBSをキー局とする全国28のテレビ局で作るJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)。これまでの地上波放送だけでなく、JNN28局の取材力を結集して、より深く・より分かりやすいニュースサイト「TBS NEWS DIG Powered by JNN」を、今年4月18日にスタートさせました。TBS NEWS DIG Powered by JNNでは、AnyMind Groupの子会社であるフォーエムと連携しAnyManagerを導入。今回は、わずか4ヶ月で1億2,000万PVを超えたTBS NEWS DIGのロケットスタートの秘訣と裏側を、システム開発担当の南部様、永井様に伺いました。 (トップ画像左より フォーエム:井上 正教 / 作増 志郎、TBSテレビ:南部 諒生 / 永井 雅人)
TBS NEWS DIG Powered by JNNとは?
2022年4月に誕生した「TBS NEWS DIG Powered by JNN」。「DIG」とは「掘り起こす、深掘りする」という意味。JNN系列全国28局と、海外支局員の深堀り取材が、ぎゅーっと凝縮された記事が満載の新メディアです。映像だけでなく、“読める”ニュースが豊富なのが特徴です。
・テレビだけでは、十分にニュースがリーチしない ・Webメディアに関する知見があまりなかった
・Webメディア運営に関する知見の提供 ・AnyManagerを導入
・各局の指標の統一により、コミュニケーションが円滑になることで、業務効率化につながった ・分析データの活用により、地域の壁を越えた質の高いニュースを提供できるようになった ・PV数が増加し、収益化につながった
取材者プロフィール
南部 諒生
報道局 JNNネクストメディア準備室
2007年に技術職としてTBSテレビに入社。カメラマンとして報道やスポーツを担当。2013年からロンドン支局に赴任。その後、2021年にJNNネクストメディア準備室にジョインしDIGの立ち上げに従事。
永井 雅人
ICT局インフラセキュリティ部 兼 報道局JNNネクストメディア準備室
2020年に入社し、ICT局インフラセキュリティ部に配属。当初は電話交換機の更新を行っていましたが、2021年からJNNネクストメディア準備室にジョイン。現在は、Googleツールの導入・サイトポリシーに関する業務に従事。
最も苦労したのは、JNN全28社をまとめることだった
TBS NEWS DIG Powered by JNN立ち上げの経緯を教えてください。
最初は、TBS NEWS(前身)というWebメディアの運営を行っておりました。TBS NEWSでは主にTBSテレビ発のニュースとJNN各局発の全国ニュースの2つを発信していました。 テレビで取り扱ったニュースをそのままTBS NEWSに掲載しても、ユーザーの属性が異なるため、PV数が伸びませんでした。Webコンテンツを見るユーザーの属性に適した情報を発信しなければならないという課題がありました。 コンテンツの強化も視野に入れ、”枠”や”尺”に縛られないニュースを提供するために、DIGを立ち上げました。
立ち上げで苦労したことを教えてください。
最も苦労したことは、JNN全28社をまとめることでした。コロナ禍であったため、新たなメディアを立ち上げる説明を対面で行うことが難しい状況でした。その中で、皆さんの理解を得るためには、どういうプラットフォームにしたらいいのか?とにかく考えました。実際には、ユーザーニーズといったマーケティングデータに基づいて説明し、一緒にコンテンツ開発を進めていきました。 また、別の課題として、人的リソースの不足がありました。系列局になると、地上波ニュースと兼務しながらデジタル配信をしているところがほとんどです。いかに効率よくニュースを配信できるかということも考えました。
決め手はメディア支援の豊富なノウハウ・実績
フォーエムを選んだ理由
テレビを視聴するユーザーとWeb記事を見るユーザーは全く異なっていました。Webコンテンツを新たに作ろうとなった時、全く知見がなく、どうやって進めて行けば良いのかわからなかった時、フォーエムさんと出会いました。 フォーエムさんにはWebコンテンツづくりの知見から収益化の仕組みづくりまで教えていただきました。大手出版社や新聞社などにおける実績があったため、知見や他社事例を豊富に持っており心強かったです。また、機能開発面でも、スピード感を持ってやってもらっています。収益化支援だけでなく、人的サポートも含め、パートナーとして一緒に取り組んでいます。
各コンテンツの価値が可視化され、自由度の高い分析ができるようになった
AnyManagerを導入してよかったこと
AnyManagerを導入してよかったことは、系列各局が、自分たちのコンテンツの価値を、データで実感できるようになったことです。 AnyManagerはJNN系列全28局の全ての局に導入しています。データが明確になることで、各局が同じ目標を持ってニュースを作ることができるようになりました。 また、それをきっかけにJNN内でのコミュニケーションも増え、地方ではこんな面白いニュースがあるんだといった新たな発見もありました。 Google Analyticsの導入も大きかったです。自由度の高いデータ分析ができるようになり、結果的に収益化にも繋がりました。何より効率的にニュース配信を行うことができるようになったので、よかったです。
TBS NEWS DIG Powered by JNNで反響の大きかった記事の例
運転しながら「おにぎり」食べるのは交通違反?警察に確認すると…https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/44239
BSS(山陰放送)からDIGに上がった記事ですね。このニュースは間違いなく全国に届けるべきニュースだったと思います。DIGの中では爆発的に人気があったニュースです。鳥取県だけのニュースにしてしまうと約50万人にしかリーチできませんが、DIGを通すことで地域の壁を超えて日本全体にニュースが届けられた良い事例かなと思います。
「いじめた人は一瞬で忘れるが僕は一生恨んでいる」“ジャンポケ”斉藤慎二さんが壮絶な体験を語り続ける理由https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/73733
SBS(静岡放送)で1分ほど取り上げたニュースです。DIG編集部からお声かけさせていただいてWebオリジナルコンテンツとして、ロングバージョンを出していただきました。 DIGで取り上げた地方のニュースをキー局(TBSテレビ)で取り扱うケースも増えてきました。DIGというプラットフォームをつくったことでJNN全体にニュースを届けることができました。
最大の魅力は直感的に使えるダッシュボード
AnyManagerの機能面で良いと思う点を教えてください。
直感的に分かるようなダッシュボードになっている点です。見たい数字がすぐに分かります。また、各広告枠ごとのCPM、CTRを一覧で見ることができるだけでなく、過去の推移も抽出することができるので、誰でも簡単にデータ分析をすることができます。特にページRPM(1,000PVあたりの推定金額)が直感的でわかりやすいですね。コンテンツが生み出す収益を可視化できるようになりました。 また、AnyManagerを導入して、スピード感のある広告運用ができるようになりました。テスト環境まで整備されているため、非常にはやいスピードでやりたいことができます。自分達で広告運用をすると時間がかかりますが、フォーエムさんと連携することによって、時間が短縮されました。立ち上げの時は週1度のペースで行っていました。これはかなり早いペースだと思います。現在は隔週でテストを行っています。
今後、注力したいのは、タイムリーな防災情報の発信
今後どのようなところに力を入れていきますか?
まだ、ニュースが届いていないユーザーにもリーチしていきたいと考えています。今後は、防災情報にも力を入れていきます。地上波だとそれぞれの視聴者に合わせた情報を届けることが難しいという課題を感じていました。秋にはアプリのリニューアルを予定しており、タイムリーに防災情報を届けられるような機能も追加していくので、より価値の高いサービスにしていきたいと思っています。