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ドモホルンリンクル/再春館製薬所|越境ECを一気通貫で支援。一元管理データを用いてPDCAサイクルを高速化し、海外展開に成功

ドモホルンリンクルの海外展開加速の裏側を再春館製薬所の池端氏と伊藤氏にインタビュー

株式会社再春館製薬所は、熊本県上益城郡に本社を置く化粧品・医薬品・医薬部外品・機能性表示食品などの製造・販売を手がける製薬メーカーです。今回はその代表商品である「ドモホルンリンクル」の海外展開を担当する池端様と伊藤様に、AnyMind Groupが一気通貫で支援を行なった越境ECサイトのリニューアルからプロモーション施策の実施についてお話を伺いました。

ドモホルンリンクルについて


自然に学び、古くからの知恵に学び、最先端の技術に学ぶ再春館製薬所。1974年、漢方の製薬会社として私たちが生み出したドモホルンリンクルは漢方発想とサイエンスの融合により、進化と深化を遂げてきました。年齢を重ねても輝き続ける肌をめざして、肌が生まれながらに持つ力に着目し、独自に研究。「年齢に負けない肌をつくりたい」という想いを込めた名前のとおり、ドモホルンリンクルは肌が本来持つ力を活かし、理想的な肌の状態へと導きます。人の一生に寄り添い、人の悩みに向き合う。そして、多様な活躍を応援し、人生を豊かに彩る。それがただの化粧品でも医薬品でもない「どこにもない製品」、ドモホルンリンクルが追求し続ける終わりなき理想です。

取材者プロフィール

池端 由香 氏

海外事業 基盤管理部 DX推進室 マネージャー

2015年株式会社再春館製薬所入社。海外事業部でWEBディレクター兼マーケターとしてコミュニケーション設計構築や販売促進企画立案に従事。2023年度より海外事業部 DX推進室のマネージャーとして海外事業部のデジタル基盤構築を実行中。

伊藤 文一 氏

海外事業 新規事業創造部 部長 

2003年にりそな銀行を退職し再春館製薬所に中途入社。2003年~2018年には、国内化粧品事業を現場運営からマネジメントを経験し、新しい接点開発としてお客様交流会などを実施。その後、販促マーケティング責任者として、化粧品事業責任者、経営企画室を経験。2019年より海外事業部に従事。GL事業 タイ事業 中国事業責任者として現在に至る。

最初に、伊藤様と池端様の担当領域とミッションについて教えてください

伊藤氏
私は、中国、タイ、越境新規事業創造部の事業責任者をしています。海外事業が拡大していくにつれ、顧客管理の難しさを感じています。これまで香港、台湾、タイへのビジネス展開をフルスクラッチで行ってきましたが、海外に進出する際の初期投資コストが高いこと痛感しており、コストを効率的に抑える方法を模索しています。その一つとして中国事業の立ち上げ時には、Tモール、Douyin、WeChatといった集客力の高い現地ECモールを利用して、ブランド認知から初回購入までの消費者へのアプローチと購入後の顧客データを集積するCRMの構築に取り組みました。

池端氏
私は海外事業部のデジタル基盤の構築を担当しています。これまで国内で開発したシステムを海外でも横展開していました。しかし、各国の商慣習や法規制への理解を深めた上で、新しいデジタル基盤を構築する必要があると考えており、現地に適したシステムの構築に取り組んでいます。



ありがとうございます。海外進出にも力を入れているかと思います。海外のお客様は日本と比べてどのような違いがありますか?

伊藤氏
特に大きな違いはありません。日本のお客様と同様に海外のお客様もいつまでも美しく自分らしくありたいという自己成長への意欲が高い方が多く、自分で納得した上でご購入くださる方が多い印象です。海外事業は2011年に香港からスタートし、2012年に台湾、そして2018年の6月にはタイにて事業の立ち上げを行いました。

顧客一人ひとりに向き合う販売スタイルは、海外においても変わらず、世界中のお客様からの問い合わせに熊本の従業員が応対し日本国内と同じようにきめ細やかな応対を行っています。

ありがとうございます。海外事業を推進する上で感じられていた課題などありましたら教えてください。

池端氏
前提としてアジアで販売を伸ばしていくためには、現地マーケットに合わせた認知獲得施策や情報収集の方法が求められます。特に日本と比べて海外ではドモホルンリンクルの認知度が低いという課題を感じており、海外で商品を選んでいただくためには、前例にとらわれないチャレンジと、高速でPDCAを回していくことが重要であると感じていました。

例えば、CRMシステムに関しては、2011年の台湾進出以来、再春館製薬所の強みである日本と同様の電話CRMシステムを海外に導入してきました。しかし、システムの複雑さから使いこなしてもらうまでに時間とコストがかかってしまい、新たなチャレンジが始めづらい状況でした。

そこで、高速でPDCAを回し、“チャレンジが創出しやすい基盤を構築する”ことを目標にしました。日本の通販領域においては、再春館製薬所の主流である電話に限らず、販売に向けたさまざまなアプローチを調査しました。その結果、海外市場では、ECモールやネットショップがより有効であると判断しました。その上で、ユニバーサルスタンダードな機能を兼ね備えているカートシステムは「Shopify」であると考え、まずは越境対応のためのECサイトをShopifyで再構築する決断をしました。

理想とするデータ基盤とCRMを実現するためにShopifyに精通し越境EC支援の豊富な経験を持つAnyMindを選定

その課題を解決する方法を探す中で、AnyMindを知ったきっかけと、導入の決め手となったポイントをお聞かせください。

池端氏
Shopify導入のパートナーとして、ECコンサル会社を探しており、その中で出会ったのがAnyMindでした。サイト内に「Shopify experts」であることも記載されていたので、是非話を聞いてみようと思いました。実際には、AnyMindを含め3社に提案いただきました。その中でAnyMindは、導入実績、提案内容の具体性や実現性の高さなど、再春館製薬所が理想とするイメージに合致していました。最終的な決め手は、ECの導入支援だけでなく、今後の私たちが海外事業で進んでいきたい未来に伴走してくれると思えたところです。

Shopifyに精通し、再春館製薬所の理想とするデータ基盤の構築とCRMを作り上げていくには、越境EC支援に多くの実績をもち、アジア地域に13カ国の拠点があるAnyMindしかいないと考えました。

約5ヵ月で20以上の基盤整備、新機能実装を完遂

ECサイト構築からさまざまな施策の実施まで、AnyMindと取り組みをいただいた中で、良かった点があれば教えてください。

池端氏
一番変化を実感したのは、PDCAサイクルを回すスピードです。AnyMindには要件定義からサイトの実装までスピード感をもち、全力で支援・伴走いただいています。2023年3月にリリースしたグローバルサイトでは、約5カ月で20以上の基盤整備、新機能実装を完遂いただきました。

以前のシステムでは、サイトの物理的な広がりやプロモーション活動をすることが難しい状況でしたが、AnyMindにShopifyを用いたサイト構築を行っていただいたことで、それが実現できるようになりました。

伊藤氏
同じくスピード感に圧倒しています。ドモホルンリンクルは、海外においても熱狂的なファンの方が多いため、既存のお客様に向けたキャンペーンやプロモーションを大切にしています。しかし、これまではシステムの制限で実現したい施策を実現できないことや、施策を実施するまでの時間がかかってしまうことが課題でした。

AnyMindは、スピード感を持って施策を実施してくれるため、多角的なマーケティング施策がスピーディに実施していけると感じています。

データを基に施策を議論し、PDCAサイクルを迅速に回すことを実現

実施後に、営業現場や部内で何か変化を感じられたことなどはありましたか?

池端氏
部内の変化で実感したのは、”マーケティング・データの民主化”とも言える現象です。先にも述べたように、今までのシステムは複雑な構造であったため、システムのことはシステム担当者、お客様対応はお客様対応部署、マーケティングやデータ活用は企画職と各業務が分けられていました。

しかし基盤刷新後は、そのような分断が取り払われました。誰でも容易にデータを見れるようになり、チーム内でデータを基に施策について議論することが可能になりました。このデータの民主化により役割分担や連携が改善され、我々の理想としていた高速でPDCAを回すことに繋がりました。

日本製品の良さをさらに広い範囲に伝えていきたい

今後獲得していきたいマーケットや、それに向けて打ち出していきたい施策などあれば、是非お聞かせください。

伊藤氏
AnyMindの皆様と一緒にドモホルンリンクルの世界的な認知を獲得していきたいと考えています。そのために必要となるのが、実際に商品を使ってもらうなど、高品質な体験を提供することです。

インフルエンサーやKOLに商品を体験していただくことで、口コミの拡散が期待できます。それが世界中の人々の認知やブランドの強化、好印象の創出、そして信頼の構築に繋がり、熱狂的なファンを一層増やせると考えています。 また、今後成長が見込まれるASEAN地域での顧客獲得と売上拡大を狙える可能性が十分あると考えています。そのためASEAN地域や英語圏でのテストマーケティングを行い、ブランドと親和性の高い国で新たなチャレンジを続けていきたいです。このように、さまざまなチャレンジができるのも海外事業の醍醐味であり、私たちのチームの使命だと考えています。

AnyMindには、一気通貫した成長支援を伴走してもらいたい

AnyMindと共に実現していきたいこと、AnyMindに求められる役割などがあればぜひ教えてください。

伊藤氏
これまでは基盤の整備が主たる課題でした。今回の取り組みでは、越境ECサイト構築後のプロモーションまで見込んだ戦略を立てているため、Shopifyの基盤拡張と連動したマーケティング施策やプロモーションが実行しやすくなったと感じています。 これまでは協力会社さんも「ECサイトの機能開発はシステム会社」、「広告運営やインフルエンサーを活用したSNS施策はマーケティング会社」と担当が分断されており、連携することが難しく、思っていたようなマーケティング施策の効果を得られませんでした。AnyMindでは、将来的にマーケティング戦略立案から施策の実行を 見据えて、ECサイトとしての基盤拡張を行いました。今後この基盤を利用してマーケティング施策の実行と高速なPDCAが可能になると確信しています。 私たちが海外事業で進んでいきたい未来に伴走してくれる。これがまさにAnyMindだからこそ実現できる一気通貫での成長支援だと感じています。

池端氏
今後は海外事業の中核である台湾事業部のデジタル基盤の構築を実現していきたいと考えています。土台であるデジタル基盤構築だけでなく、認知を獲得するためのマーケティング戦略を高速でPDCAを回しながら実行し成功事例をたくさんつくっていきたいです。それらを実現するために、AnyMindには伴走してもらい、継続的な成長支援をお願いしたいです。



最後にECで同じようなお悩みを抱えている事業者様に向けて、メッセージをお願いいたします。

インバウンド需要の高まりから越境ECが注目されていますが、世界の方々に日本製品の良さはもちろん、日本のサービス品質を体験いただきたいと考えています。例えば、再春館製薬所では訪日旅行客に対して、製薬メーカーとしての化粧品製造現場を体験いただくことで、その場で作りたての製品を免税で購入できるようにしました。

地元熊本では、台湾 香港との直行便が開始のほか、八代港からの中国 欧米のお客様の来日の機会が活発化しています。訪日観光客の皆様は旅中での商品・ブランド体験や製品の免税購入を促し、帰国後に越境ECでリピート購入いただけるよう、さまざまな事業者様と協力し、盛り上げていきたいと考えています。

AnyMindではプラットフォームの提供だけでなく、ECサイトの構築からマーケティング戦略の立案から実行まで一気通貫して伴走支援をしてくれているので、同じような課題を抱えている事業者様には、是非お勧めしたいと思います。



ありがとうございました。

■再春館製薬所とは

自然とつながり、人とつながる明日を。
人間も自然の一部であるという漢方の考えにもとづき、自然からの恵みを人の力に活かしていく。それが再春館製薬所の根本の理念です。

私たちの商いは、神経痛やリウマチによる痛みを取り除く「痛散湯」から始まり、1974年には基礎化粧品「ドモホルンリンクル」が誕生。以来、40余年にわたってリニューアルを繰り返し、ただひとすじに製品を磨き続けています。

「どこにもないものを、どこにもない方法で。」それが私たちのめざす製品の、そして商いの姿です。

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