イオンエンターテイメント株式会社は、イオングループの企業として、映画館「イオンシネマ」を全国に展開しています。イオンシネマの公式サイトは、上映スケジュールや作品情報の確認、チケット予約、キャンペーン情報などを提供しています。劇場へのアクセス情報や会員特典も確認できるサイトです。
イオンシネマ公式サイトの収益向上支援をフォーエムに委託し、メディア・モバイルアプリグロースプラットフォーム「AnyManager」を導入した結果、広告運用工数を99%削減し、収益向上に大きく貢献しました。今回は、当社グループのフォーエムとの取り組み内容や成功の裏側についてご紹介します。
- 課題
業界トレンドへのキャッチアップ不足
収益改善のPDCAサイクルの遅さ
社内外での確認工数が多いため、施策の実施までに時間がかかる
- 施策
AnyManagerの導入
純広告の配信設定・運用サポート
外部プラットフォームへの配信設定・運用サポート
広告ブロックツールの導入
- 効果
広告運用工数の99%削減を実現
純広告や外部プラットフォーム配信案件数の400%増
ユーザビリティの向上
取材者プロフィール

今井 良氏
支援前の課題について簡単に教えてください
イオンシネマ公式サイトでは、ユーザーにとって使いやすいWebサイトを提供するために、改修や運営にかかるコストの一部をサイト内広告収益で補っています。そのため広告収益は、サイト運営においても重要です。
以前は、広告収益に関して自社だけではなく、他のパートナー企業にお願いしていました。しかし、変化の激しいマーケット環境の中で、自社の収益水準が市場標準と比べて高いのか低いのか、また市場トレンドをどのように捉えるべきかについて、十分な知見を持ち合わせていない状況でした。さらに、公式サイト内の複数の広告枠をそれぞれ異なる会社に委託していたため、収益改善に向けたPDCAサイクルが遅れ、改善策の実効性にも課題がありました。
フォーエムとの取り組みの決め手を教えてください
当時、パートナー企業を選定するにあたり、複数の企業から提案をいただきました。その中でフォーエムを選んだ理由は、次の3つのポイントです。
1つ目は、アジアにおける豊富な実績です。フォーエムは、アジアを中心にさまざまな顧客に対して幅広いメディア支援を行っており、その豊富な知見に大きな魅力を感じました。日本市場のみならず、海外市場でもメディアの収益化実績があることが魅力的でした。
2つ目は、Googleの認定代理店であることです。弊社はGoogle Ad Exchangeを主軸に広告の収益化を行っているため、Googleのアップデートに追従する必要があります。その点フォーエムは、Google Certified Publishing Partner(GCPP)に認定されており、その信頼性の高さから、安心して広告運用を任せられると思いました。
3つ目は、AnyManager内のタグによるサイトメンテナンス機能です。収益対策で広告枠の配置・仕様を変更する際、これまではHTMLコードの更新に多くの工数を割いていました。AnyManagerのタグ機能を活用することで、迅速かつ簡単に仕様変更やテスト実施が可能とお聞きし、工数削減が期待できると感じました。

また、今回パートナー企業を検討するにあたり、知人から「自社SSP(Supply-Side Platform)に偏った運用を行う会社も多い」と聞き、正直かなり注意深く検討を行っていました。
しかし、フォーエムの担当者とのコミュニケーションでは、各種広告事業者の良い点・悪い点を客観的に整理して提示していただきました。
話を重ねる中で、企業課題の解決はもちろんのこと、私の懸念や目指す姿についても丁寧に耳を傾けていただき、具体的な解決策を提案していただけた点に大きな信頼感を抱きました。
また、私たちが依頼したのは広告収益の向上に関する部分でしたが、それに加えて広告ブロックツール導入の必要性や外部プラットフォームへの配信設定・運用の重要性についても教えていただきました。これにより、メディア運用の幅が広がる可能性を感じさせていただけた点も、大きなポイントだったと思います。支援開始後もその姿勢は変わらず、信頼がさらに深まっており、本当にお願いして良かったと感じています。
フォーエムの支援開始後、課題は解決しましたか
前述の3つのポイントについては、全て期待通りの水準で解決できました。そのため、元々は広告枠の一部のみをお願いしていましたが、約半年後には、全ての広告枠の支援をお願いしました。
支援いただいている中で、何よりも良かった点は、日々のサポートの手厚さです。
細かい要望にもスピード感を持って対応していただいたおかげで、施策のPDCAサイクルを高速化することができ、私たちのやりたいことを次々に実現できた点が非常に良かったです。また、一方的に進めるのではなく、客観的なメリット・デメリットを丁寧に説明していただき、納得感を持って進められる点がとても頼もしく感じられました。
AnyManagerの機能の中で特に効果的だったものはありますか?
ワンタグで広告枠の挿入や仕様変更を行えることが特徴的ですね。「試しにこうしてみたらどうだろう」という収益改善テストの試行スピードが上がり、これまで要していたコード変更の工数も削減できたことに大きな効果を感じています。
その結果、AnyManagerとフォーエムの支援を通して、これまで改善にかかっていた工数を99%削減することができました。
工数削減した時間を活用して、ユーザー獲得や外部プラットフォームへの配信案件の獲得といった他の重要な業務に集中できるようになり、本当に助かっています。
フォーエムからの支援で印象に残っているものはありますか?
いろいろありますが、やはり1番は私たちの利益を最優先に考えていただけている点です。弊社サイトへのアクセスユーザーは、楽しい体験を求めています。そのため、我々はエンゲージメントを損なわないよう細心の注意を払っています。しかし、これは広告マネタイズとの両立が難しい課題です。フォーエムは、広告収益の最大化だけを優先するのではなく、「ユーザーの楽しい体験を守りながら媒体として収益を上げる方法」を、同じ目線に立って一緒に模索してくれるパートナーのため、本当に助かっています。フォーエムの普段からきめ細かくスピーディーな対応のおかげで、純広告(PMP)においてもリピート案件が増加していると感じています。
現在、純広告に関しては、広告主から公開予定の映画宣伝をしたいとご相談をいただくケースが多いです。イオンシネマの公式サイトでは、特に「チケット予約完了後のページ」はクリック率(CTR)が高いことで広告主から人気があります。純広告の配信に関しては基本的に、入稿設定や配信レポートの作成をお願いしています。
広告主によっては、既存のイオンシネマのサイト構造ではすぐに対応が難しい要望や相談をいただくこともありますが、そのような場合でも、サポートいただいて助かっています。例えば、 純広告配信用の新規広告枠作成や、特定の劇場ページにのみ純広告を配信する特別な設定の際においてもAnyManagerのワンタグ機能を活用し対応していただきました。
外部プラットフォームへの配信では、イオンシネマ公式サイトのユーザーやチケット購入ユーザーのオーディエンスデータを用いて、クライアントの広告を特定の層に向けてGoogle AdsやMetaなどでターゲティング配信しています。特にYouTube広告が人気で、リピートいただける広告主も増加しており、好調です。フォーエムには入稿設定や日々の運用、配信後のレポートなども対応いただいています。
提案の際や配信中に広告主からさまざまなご質問やご要望をいただくことが多いのですが、フォーエムが迅速に対応してくださるおかげで広告主の満足度も向上し、リピートにつながり、外部プラットフォーム配信案件数は支援前に比べ400%増加しています。

最後に今後の貴社の展望と、その中でフォーエムに期待することがあれば教えてください。
日々トレンドが移り変わる広告業界ですが、引き続き最新の知見を活用したサポートをいただきながら、アクセスユーザーの体験を損なうことなく収益を伸ばす枠組みや、映画業界の活性化に向けた施策を一緒に考えていければと思います。引き続き、ともに成長を目指すパートナーとしてお付き合いをよろしくお願いいたします。