Shopifyは世界で最も利用されているECカート(ECプラットフォーム)です。しかしShopifyの費用や機能面のメリットがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Shopifyが支持されている理由や、他サービスと比べて優れている点などについて解説します。
この記事でわかること
・Shopifyの特徴と世界一になった理由
・Shopifyの機能
・Shopifyと他サービスの違い/メリット
こんな方におすすめ
・ShopifyでECサイト構築を検討している方
・Shopifyの基本知識をおさらいしたい方
1.Shopify(ショッピファイ)とは?
Shopifyは誰もが気軽にオンライン販売を始めることができるECプラットフォームです。Shopifyを利用したECサイトは、175カ国で約170万店舗以上あり、流通総額は2,000億ドル(約23兆円)を超えました。
2017年には日本法人「Shopify Japan株式会社」を設立し、日本でもサービス利用者が拡大しています。
時価総額
Shopifyの時価総額は2021年12月時点で、1,827億米ドル(約19兆円)となっています。2020年の売上げは前年比から96%も増加しており、今後の成長も期待されています。
2.Shopifyが人気の理由: Shopifyが世界一になった背景
Shopifyのサービス利用者が急拡大している理由を以下の4点から解説します。
・ECマーケットを取り巻く環境要因
・ECカートとECモールの違い
・Shopifyと他ECカートとの違い
・Shopifyの特徴・メリット
ECマーケットを取り巻く環境要因
Shopify成長の背景にはECマーケットを取り巻く環境の変化があります。ECサービスに今求められていることを3点解説します。
・D2Cブランドの体現するブランドストーリー(世界観)への共感
・D2Cにおける個別最適化の重要性
・マルチチャネル化の必要性
■D2Cブランドの体現するブランドストーリー(世界観)への共感
EC事業において「ブランドの世界観」を顧客に届けるD2Cブランドが注目されています。モノやサービスが溢れている現代において、ブランド・商品の「機能的価値」ではなく「情緒的価値(ブランドの世界観・目指していること)」を重要視する顧客が増えています。
具体的にECサイトでイメージすると、これまでのEコマースのサイトは商品の機能などセールス情報が中心にあり、D2Cブランドのサイトはブランドの世界観を伝えるための写真やメッセージが中心になっている場合が多いです。消費行動はその商品のある世界やストーリーへの共感がポイントになっているのです。
Shopifyは世界観を伝えるためのデザインや機能が優れています。一部の有名ブランドがECモールから撤退し自社ECサイトを強化した理由は、そうしたブランド力を高めるためだと言われています。
■D2Cにおける個別最適化の重要性
顧客とのコミュニケーションは、インターネットやテクノロジーの浸透によって、従来の顧客を一律にとらえた形から「個別最適化」された形に移り変わってきました。
例えば、これまでは顧客に一斉に同じメールマガジンを届けていましたが、現在は「会員登録者」「始めての購入者」「リピーター」といった区分や、購入履歴などを用いた更に細分化された区分で、それぞれの顧客の状況に応じて最適化された情報を届けることが一般的になっています。
LINEなどのSNSとShopifyを連携することで、購入情報を活用してそれぞれの顧客に最適化したメッセージを送る仕組みを構築することも容易です。
■マルチチャネル化の必要性
マルチチャネル化とは「売り手と買い手の接点を増やすこと」を指します。具体的には、最近まで顧客との接点がオフラインの実店舗だけだったのが、オンラインのECサイトや各ECモール、各SNSなどに増えてきています。
顧客の消費行動は多様化しており、ターゲット顧客の購買意欲の高まるタイミングで購買できるように、ユーザー目線で動線設計を行う必要があります。
Shopifyは、InstagramやSnapchatのShopNow機能に代表されるSNSでの販売機能や、ECモールである楽天市場とも連携した販売が可能となっています。マルチチャネル化を容易に進めることができる点でもShopifyは優れたサービスと言えます。
ECカートとECモールの違い
ECサイトには、大きく分けて「自社ECサイト(ECカート)」「ECモール」の2つ形態があります。Shopifyは「ECカート」システムで提供されているサービスです。
ECモールとは、複数のショップの出店や出品によって構成されているECサイトのことです。ECモールの形式も「マーケットプレイス型」「テナント型」などがあり、日本ではAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどが代表例です。
ECカートとは、サイト上で商品を売買するためのシステムやサービスのことで、それを用いることで自社のECサイトを構築することができます。
ECカート
ECモール
初期費用
○
無料の場合が多い
△
出店料が発生する場合が多い
サイト制作工数
△
テンプレートを利用できる場合が多い
○
写真等の素材準備のみ
運用コスト
○
決済手数料のみ
△
出店料、決済手数料が高い
集客
△
自身での集客の取り組みが必要
○
知名度があるため集客しやすい
顧客分析
○
顧客情報を活用できる
×
顧客情報を活用できない
ブランド認知
○
ブランドを訴求しやすい
×
ユーザーはECモール上の1商品を購入しているという認識
両者を比較すると、Shopify含むECカートのメリット、デメリットは次のようになります。
メリット
・運用コストが安い
・顧客情報を自社で蓄積でき、顧客分析に応じたマーケティングが可能
・ブランドとしての認知を取りやすい
デメリット
・集客力が弱い
・サイト制作のコストがかかる
デメリットを2点あげましたが、Shopifyにはデメリットを補うための機能がしっかり準備されています。集客に対してはSEO強化機能とSNSとの連携機能、サイト制作のコストに対しては豊富な高機能デザインテンプレートが用意されています。
Shopifyと他ECカートとの違い
ECカートは国内外で数多くのサービスが提供されています。注目すべきサービスの違いを3つのポイントから解説します。
・システム提供タイプの違い
・運用コストの違い
・機能面の違い
■システム提供タイプの違い
まず大きな違いとして「システムの提供タイプ」が上げられます。提供タイプには以下の3種類があります。
・クラウド型(SaaS型、ASP型)
クラウド上にあるECカートのソフトウェアをブラウザで操作する
・オープンソース型
独自で準備したサーバーにソフトウェアをインストールして利用する
・プラグイン型
WordPressなどのCMSにプラグインとしてインストールして利用する
Shopifyは「クラウド型」に分類されます。クラウド型は、オープンソース型に比べてアカウントを取得後に比較的すぐに使えるようになるため、サーバーの準備などの初期開発費用がかかりません。またシステムのアップデートや追加機能がアプリとして利用できるため、最新の機能がすぐに使えるという特徴があります。
■運用コストの違い
次にコスト面の違いです。カートシステムの運用コストは、「月額費用」と「従量課金費用(1受注などに対する手数料)」があります。「1受注などに対する手数料」とは、クレジットカードなどの決済に係る手数料及びサービスの手数料を指します。
決済方法はいずれのサービスも外部決済サービスが利用できるほか、独自の決済サービスが提供されています。BASEやSTORESは、月額費用は無料ですが、決済システムの手数料が他サービスに比べて高めに設定されています。
Shopifyでは「Shopifyペイメント」という独自の決済サービスを選択できます。月額費用、手数料ともに標準的な価格です。
売上が少ない段階では、月額費用がかからないサービスを利用した方がコストは低くなります。しかし将来的に売上の拡大を目指すのであれば、Shopifyなどの月額費用は比較的高いが従量課金費用が安いサービスを活用したほうがコストを抑えることができます。
■機能面の違い
機能面に関して、以下の2点から違いを解説します。
・フロントエンド ECサイトのインターフェイスの制作機能
・バックエンド 商品管理・注文管理・顧客管理の機能
ECサイトのインターフェイスの制作に関して、多くのサービスでは無料・有料のデザインテンプレートが提供されています。Shopifyは世界で170万以上の店舗が利用している世界No.1ECカートであるため、豊富なデザインテンプレートが業界別や店舗のタイプ別に提供されています。
また、Shopifyでは高機能なバックエンドのシステムがはじめから標準搭載されています。さらに追加機能がアプリで提供されているので、簡単にサイトをアップグレードすることができます。
さらに、Shopifyは商品管理や注文管理、顧客管理の一般的な機能の他にも、他サービスにはない独自の機能が搭載されています。マルチチャネルでの販売やSNSでの連携などのマーケティング機能、海外販売のためのサイトの翻訳や複数通貨での決済など、消費者の購買トレンドに合わせた機能が開発されています。
Shopifyの特徴・メリット
ここまでご紹介したように、ShopifyはコストやECサイトとしての機能だけではなく、ECマーケットでEC事業者から求められていることにもしっかり対応したサービスとなっています。
以下、Shopifyの特徴とメリットを8つのポイントでまとめました。4章「Shopifyのメリット」で詳しくご紹介しています。
・世界最大の実績: ベンチャーから大手まで世界中で170万店舗以上が利用, GMV20兆円以上
・導入ハードルが低い: 初期費用なし, 月29ドルから
・ECサイト制作コストが低い: デザインテンプレート1,000種類以上, サーバー独自契約不要
・運用コストが低い: 受注管理/顧客管理/在庫管理, 優れたストア分析機能
・拡張性が優れている: Shopifyアプリ3,000以上のエコシステム
・マルチチャネルプラットフォーム: 各SNSとの連携, 実店舗のPOS連携
・集客力が強い: タイトルタグなどSEO強化のカスタマイズ
・越境展開に強い: 世界中の言語/決済サービスをカバー
3.Shopifyの料金プラン / プランごとの機能一覧
Shopifyには3つの料金プランが準備されています。各プランの料金と機能を解説します。
料金プラン
3つのプランの料金は以下の表の通りです。決済手数料に関しては、Shopifyがサポートする「Shopifyペイメント」の手数料を掲載しています。
プランごとの機能一覧
3つのプランの機能は以下の表の通りです。ここでは各プランの機能面の違いを解説します。
ベーシックプランと上位2プランの違いは以下の5点です。
・スタッフアカウント
管理画面とShopifyPOSへのアクセス権があるスタッフメンバーの数
・プロフェッショナルレポート
特定の商品に対するレポートが確認できる
・カスタムレポートビルダー
レポートのカスタマイズができる
・外部サービスの計算済み配送料
ユーザーが注文した時点で最新の配送料を表示できる
・世界に向けて販売
海外ドメインの使用、国や地域ごとでの価格の設定ができる
上位プランでは、ECサイトの管理者を多く追加でき、より詳細なレポート、より高度な越境対応ができるようになります。
レポートに関しては、ベーシックプランでも、サイトの訪問者や売上、注文総数など10のデータを確認することはできます。上位プランへの移行は、ECサイトの管理スタッフや商品点数が増えてきた時点や、サイトの成熟に伴ったレポートが必要になった時点で検討すべきでしょう。
4.Shopifyのメリット
Shopifyを導入するメリットを以下の7点から解説します。
・【導入ハードルが低い】初期費用なし, 月29ドルから
・【ECサイト制作コストが低い】デザインテンプレート1,000種類以上, サーバー独自契約不要
・【運用コストが低い】受注管理/顧客管理/在庫管理, 優れたストア分析機能
・【拡張性が優れている】Shopifyアプリ3,000以上のエコシステム
・【マルチチャネルプラットフォーム】各SNSとの連携, 実店舗のPOS連携
・【集客力が強い】タイトルタグなどSEO強化のカスタマイズ
・【越境展開に強い】世界中の言語/決済サービスをに対応
【導入ハードルが低い】初期費用なし, 月29ドルから
Shopifyは初期費用が0円です。また月額29ドル(約3,190円)のベーシックプランの契約で基本的な機能がすべて使えるため、導入の際のコストを抑えることができます。
またお試し期間が14日間あるため、完全無料で機能や操作方法の確認が可能です。
【ECサイト制作コストが低い】デザインテンプレート1,000種類以上, サーバー独自契約不要
ECサイトの制作には、サイトの構築、サーバーおよびドメインの契約をする必要があります。Shopifyではこのような制作を容易にするためのサービスが提供されています。
■1,000種類以上のデザインテンプレート
知識や技術がなくても簡単にサイトを構築できるデザインテンプレート(テーマ)が、1,000種類以上準備されています。無料で利用できるもののほか、より高品質なテーマが2~3万円程度で提供されています。他サービスと比べても標準的な価格です。
Shopifyのデザインテンプレートの魅力は、「規模」や「実店舗の有無」などのタイプ別、業界別に用意されていることです。またページ読み込みの高速化やカスタマイズの多機能化など機能面も充実しています。
■サーバーの契約不要
Shopifyはクラウド型で提供されているため、サーバーを契約する必要がありません。ECサイトはShopifyのサーバーで運用されます。
オープンソース型などソフトウェアをサーバーにインストールするタイプや、WordPressプラグイン型の場合は、別途サーバーの契約をする必要があるため、費用と手間がかかります。
■独自ドメインを簡単に取得
独自ドメインをShopify内で契約できます。アカウント取得時の「任意の文字.myshopify.com」というドメインから、管理画面上で簡単に独自ドメインに移行することが可能です。他社サービスで取得したドメインをShopifyに連携することもできます。
【運用コストが低い】受注管理/顧客管理/在庫管理, 優れたストア分析機能
ECサイトの運営には受注から発送、顧客フォローなど煩雑な管理業務があります。Shopifyではこのような業務をスムーズに行うための各種機能が標準で搭載されています。
■強力なセキュリティ
Shopifyはクレジットカードを安全に取り扱うために定められた国際基準「PCI DSS」で、最も厳しい基準であるレベル1を取得しています。管理画面へのアクセスに対しても、スタッフアカウントの2段階認証やアクセス制限の設定、ログイン履歴の確認までできます。
クレジットカードの不正利用問題は、ブランドの信用に関わる問題です。強力なセキュリティ対策がとられていることはShopifyが他サービスと比べて優れている点と言えます。
■在庫管理など各種管理機能を搭載
ECサイトにおいて、在庫管理をはじめとした商品管理や注文管理、顧客管理は非常に煩雑な業務です。Shopifyではこれらの管理を容易にする機能が標準搭載されています。
すべての管理はShopifyの管理画面上で一元化されています。別途様々なサービスを契約して、別々の画面で管理する必要がないことは大きなメリットと言えます。
■優れたストア分析機能
Shopifyには標準で売上・注文量、集客、財務などの10の観点からレポートが自動生成されます。スタンダード、プレミアムなどの上位プランでは、商品ごとのデータやカスタマイズしたレポートを作成できます。
【拡張性が優れている】Shopifyアプリ3,000件以上のエコシステム
ECサイトの売上を伸ばすためには、高品質なフルフィルメントの構築・サイトのUI/UX改善・集客のためのプロモーションなどが必要です。Shopifyでは、そうした機能拡張を容易にするためのエコシステムが形成されており、簡単にShopifyと接続できるアプリが3,000以上提供されています。
■3,000以上のShopifyアプリ
Shopifyアプリとは、様々な機能を追加で導入できるものです。Shopifyは標準でも高度な機能を搭載されているサービスですが、ショップの特性に合わせて3,000以上のアプリを使ったカスタマイズができる仕組みとなっています。
ユーザーの操作に関わるフロントエンドのアプリとしては、レビュー機能やサブスク用のボタンをサイト内に配置するものなどがあります。バックエンドでは、マルチチャネル化や顧客フォローに関するマーケティングアプリ、配送管理アプリなど便利なアプリが多数準備されています。
■顧客情報連携による個別最適化したコミュニケーション
Shopifyには顧客情報をSNSを連携させ、それぞれの顧客に最適化したコミュニケーションを取る仕組みがあります。
例えば、顧客の「Shopify ID」と「LINE ID」を連携させると、それぞれの顧客に合わせたメッセージをLINEで送ることができます。商品購入後のクーポン送付や、購入履歴に応じた商品の訴求メッセージ送付などか可能になります。また、LINEだけではなく、InstagramやFacebookのメッセンジャー、WhatsAppなどとも連携できます。
【マルチチャネルプラットフォーム】各SNSとの連携, 実店舗のPOS連携
Shopifyでは、SNSや楽天市場と連携したマルチチャネル化を容易にする機能が搭載されています。
■ InstagramやLINEなどとの連携
Facebook、Instagram、LINEと連携した販売ができます。Instagramとの連携では、ショッピング機能(Shop Now)で投稿した画像に商品情報を紐付け、instagram内で決済まで完了できる仕組みがあります。
また、楽天市場に出店しているショップの商品をShopifyで一括管理することも可能です。
■実店舗のPOSとの連携
「Shopify POSアプリ」を利用することで、ECサイトと実店舗の商品管理、顧客管理を一体で行うことが可能です。実店舗の販売データとECでの販売データが一元化されていないと、別々に記録、管理するという非常に煩雑な業務が生まれます。
Shopifyでは商品のバーコードを管理画面から登録し、実店舗で売れた商品のバーコードをアプリで読み込むことで、Shopify内で商品や売上データを一元管理できます。
【集客力が強い】タイトルタグなどSEO強化のカスタマイズ
Shopifyでは検索エンジンからの集客対策として、SEOの強化を容易にする機能が搭載されています。
■SEO強化用カスタマイズ
「ショップ全体」「個別商品ページ」のタイトルタグ、メタディスクリプション、URLの編集を管理画面から行えます。またSEOの効果を確認するための「Googleアナリティクス」「Google Search Console」の導入も簡単です。
■InstagramやLINEなどとの連携
重ねてになりますが、マルチチャネルプラットフォームとして複数プラットフォームから送客ができるというのは集客力にも効いてきます。
【越境展開に強い】世界中の言語/決済サービスに対応
他サービスと比べた際にShopifyの大きな特徴となるのが越境展開の機能です。Shopifyを使うと複数言語、通貨への対応が簡単にできます。
■複数言語での展開
多言語対応を行う場合には、それぞれの言語に対応したサイトを別々に作ることが一般的です。Shopifyは1つのサイトで、ユーザーがWebサイト上で言語の切替えができる仕組みとなっています。
また日本語サイトを他の言語に翻訳するアプリが複数用意されており、自動で多言語サイトを制作できます。また通貨も言語に合わせて変更され、価格もその通貨のレートに合わせた表示も可能です。
■世界基準の決済サービス連携
Shopifyがサポートしている決済サービス「Shopifyペイメント」を利用することで、複数の通貨での決済が可能になります。「Shopifyペイメント」はShopify管理画面から操作ができるので管理も容易です。
以上、7つの点からShopifyのメリットについて解説しました。初期・運用コストや拡張性、ECマーケットから求めらているマルチチャネル化や越境対応でも、Shopifyが優れていることが分かります。
5.Shopifyのデメリット・注意すべき点
Shopify導入のデメリット、注意点を2点解説します。
・改良にはWeb制作の専門知識(HTML/CSS)が必要
・アプリや参考文献はグローバル基準(英語)のものが多い
改良にはWeb制作の専門知識(HTML/CSS)が必要
ShopifyにはECサイトの制作を容易にするデザインテンプレートが多数用意されていますが、デザインの細部の調整や改良にはHTMLやCSSなどのWeb制作の知識が必要です。
逆に、デザインテンプレートはWeb制作の知識があれば、デザインのカスタマイズができます。その上、ある程度はHTMLやCSSコードがわからなくても、管理画面で修正はできるので、重大なデメリットにはなり得ません。
アプリや参考文献はグローバル基準(英語)のものが多い
Shopifyは英語圏でもあるカナダ発のサービスであるため、アプリや参考文献の多くは英語で書かれています。そのため英語が得意ではない方からすると、豊富にあるアプリがどのような機能を持っているのかわかりづらい面もあります。
しかし2017年の日本法人設立によって日本マーケットにもShopifyが浸透してきて、Shopify自身やShopifyアプリ提供者も続々と日本語対応を進めるなど、日本のユーザーにも更に使いやすくなってきています。マニュアルなども基本的なテキストはすべて日本語表記で、他の外国産のサービスに比べると使いやすいと言えるでしょう。
以上2点、Shopifyのデメリットを解説しました。Shopifyでは、2つのデメリットへの対応が既に着手されており、今後より使いやすいサービスとなることが期待できます。
6.Shopifyはこんな方におすすめ
ここではShopifyの導入がおすすめな方を4つのタイプで解説します。
・初期費用を抑えてECサイトを制作したい
・事業成長のために他ECカートから乗り換えたい
・海外展開のための他ECカートから乗り換えたい
・購買データを蓄積して顧客と長期的にコミュニケーションを取りたい
初期費用を抑えてECサイトを制作したい
初期費用を抑えてEC事業をはじめたい方におすすめです。初期費用が無料である上に、月額の利用料金も29ドル(約3,190円)と、小規模なEC事業者にとっても導入しやすい価格帯となっています。
ソフトウェアを自社サーバーにインストールするサービスの場合は、初期費が10万円以上かかる場合が多いため、Shopifyの初期費用の低さは魅力です。
事業成長のために他ECカートから乗り換えたい
EC事業をさらに成長させたい方には、Shopifyへの乗り換えがおすすめです。
売上げが拡大している方にとっては、月額費用が無料の他ECカートサービスよりも、決済手数料が安いShopifyを利用した方がトータルコストが安く押さえられることがほとんどです。月額費用無料のサービスの決済手数料は、5~6.6%程度ですが、Shopifyがサポートする「Shopifyペイメント」は3.4~4.14%と低くなっているためです。
また、商品数(SKU数)や顧客増加にともない管理システムや分析機能が必要となります。Shopifyは標準装備されている高度な機能に加え、アプリでの拡張、プランのアップグレードで高度な管理ができるため変化に柔軟に対応できます。
さらに、マルチチャネル化や越境展開にも対応しているので、ECサイトの事業成長の助けになるでしょう。
7.Shopifyの登録方法/使い方
Shopifyは登録からショップ開設まで、わずか4ステップで完了します。登録には5分もかかりません。
①Shopifyにアクセス
②メールアドレスの入力
③ストア名などを入力
④アンケートの回答
①Shopifyにアクセス
https://www.shopify.jp/ にアクセスします。
②メールアドレスの入力
Shopifyトップページの入力フォームにメールアドレスを入れ、ボタン「無料体験をはじめる」をクリックします。
③ストア名などを入力
遷移した画面で「パスワード」「ストア名」「ストアURL」を入力し、ボタン「ストアを開く」をクリックします。ストアURLは、はじめ「任意の文字.myshopify.com」となりますが、後から独自ドメインに変更できます。
④アンケートの回答
EC事業の現在の状況や販売商品カテゴリ、氏名や住所などの基礎情報の質問に対して回答をします。回答後にボタン「ストア」に入るをクリックすると完了です。
8.Shopifyのストアオープン後にすべきこと
Shopify登録後にすべきストアの各種設定について解説します。
①商品の登録
②ページ・メニューの作成
③サイトデザイン(テーマ)の編集
④決済方法の設定
⑤送料の設定
⑥プランの契約
⑦テスト注文
①商品の登録
商品の登録は、商品タイトルや説明文、価格などをフォームから記入し、写真をアップロードして追加します。説明文を追加するフォームでは、WordPressなどのCMSの記事作成と同じように「見出し」や「装飾」「表」などが利用できます。
また商品の「サイズ」や「色」なども追加でき、一つの商品登録で複数のバリエーションが選択できるようになります。その他配送料計算のための「重量」、商品の「グループ化」、「割引の表示」など必要な設定を行います。
②ページ・メニューの作成
「ショップ情報」や「お問い合わせ」などのページを追加します。こちらもWordPressの記事作成と同じ要領で簡単に作成できます。お問い合わせページの作成には、コンタクトフォームを備えた記事テンプレートの利用が可能です。
作成したページは「メインメニュー」や「フッターメニュー」に追加します。メニュー設定画面から作成したページを追加するだけで完了です。
③サイトデザイン(テーマ)の編集
サイト全体のデザインを編集します。初期設定のテーマを変更する場合は、テーマライブラリから別のテーマを選択してください。
デザインはテーマをカスタマイズすることで変更できます。特別な知識がなくても、管理画面から「文字」「色」「各要素の位置」などの変更が可能です。
④決済方法の設定
管理画面から利用する決済サービスを選択します。初期設定で「Shopifyペイメント」「PayPal」「Amazon Pay」が表示されていますが、別の決済方法を追加することもできます。
おすすめはShopifyがサポートしている「Shopifyペイメント」です。各種クレジットカードや「Apple Pay」「Google Pay」の利用ができ、決済手数料が安いからです。
⑤送料の設定
送料は「都道府県別」や「アイテムの重量」「注文金額」によって、価格設定ができます。また「商品別の送料設定」もできます。自身のショップに適した送料設定をしましょう。
⑥プランの契約
「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つのプランから選択をします。また各プランは「月次」「年次」「2年」「3年」という契約期間も選びます。長期間の契約の場合、最大で月1,000円ほど安くなります。
⑦テスト注文
Shopifyでは注文、発送処理をテストで実体験できる「テスト注文」という機能があります。商品の受注後にShopifyの管理画面上で行う処理の練習として、ぜひ活用してみてください。
9.ShopifyのECサイト制作はAnyMindへご相談ください
Shopifyは、これからEC事業をスタートする方、EC事業を拡大していこうと考えている方にとってコストや機能面から強くおすすめできるサービスです。
またこれからのECマーケットで求められるD2Cの個別最適化、越境販売への対応において、他ECカートよりも優れた機能が搭載されています。2週間の無料期間が準備されているので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ShopifyのECサイト制作は、AnyMindにお気軽にお問い合わせください。
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