株式会社フォーエムは、2024年12月11日(水)にウェビナー「顧客向け公式アプリ最新情報2024年まとめ」を開催しました。アプリを通じた顧客ロイヤリティの向上や収益最大化の手法に焦点を当て、ユーザー体験を損なうことなくアプリを収益の柱へと育てる戦略が詳しく解説されました。今回は本ウェビナーのレポートをお届けします。
「顧客向け公式アプリ最新情報2024年まとめ 市場動向からマネタイズ手法、UIの改善まで徹底解説」を開催。「広告運用のエキスパートが解説する収益最大化の秘訣」
◼︎登壇者プロフィール
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萩原 千賀
株式会社フォーエム・アプリコンサルタント
ウェビナー概要
ウェビナー冒頭では、マネタイズについて、特にユーザーにとってメリットとなるマネタイズ手法をテーマにお話しいたしました。
顧客向け公式アプリで実現可能な具体的なマネタイズの方法をご紹介し、参加者の皆さまが自社アプリの可能性を考えるヒントとなる内容をお届けしました。
媒体成長に大きく貢献する”アプリ内広告の価値”
アプリ内広告と聞くと、ユーザー体験(UX)を損なうリスクから導入に踏み出せない企業も少なくありません。しかし、広告収益を最大化することで次のような2つのメリットが得られると萩原は強調しました。
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- アプリのコンテンツの拡充
広告収益を活用して新たな機能開発やユーザーへのポイント還元、コンテンツの増加などを行うことにより、アプリをより多くの人に、より高い頻度で使ってもらうためのエンゲージメント向上施策を行うことが可能です。
- 他領域への投資
アプリ内広告収益が向上することは、ユーザーのLTV向上を意味します。これにより、ユーザー獲得にかけられる予算が増え、広告出稿などのユーザー獲得施策やブランド認知向上施策も積極的に行うことが可能になります。
このように、アプリにおける広告収益を最大化させることは、持続的にアプリ発展に大きく寄与します。ただし広告の導入によってユーザーが離脱してしまっては本末転倒です。そのため、本ウェビナーではどんな広告フォーマットが存在し、それをどのように導入すればUXを阻害せずに包括的な価値向上に活用できるかを詳しく解説しました。
UI/UXを阻害しない広告の導入方法と実施事例
アプリ内広告のフォーマット
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アプリ内広告のフォーマットは大きく分けて5種類に分類されます。その中でも、視認率が高くエンゲージメント効果に優れたインタースティシャル広告とリワード広告は特に単価(CPM)が高く、収益性の優れたフォーマットとなっています。
具体的な導入例について
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例えば、レシート買取アプリの事例があります。このアプリではレシート読み取り後のページ移動時に、ページとページの間に独立ページとして表示するインタースティシャル広告を表示することで、UXを阻害せずに収益を上げることができました。
この事例の場合、UXと収益性の両立のために大きく2つのポイントが重要視されました。
- アプリ内でユーザーが頻繁に使う機能に着目
ユーザーが頻繁に使用する機能内に広告を表示することで、広告の表示回数を増やし、収益の向上を図ります。 - ユーザーのアプリ利用目的達成後に広告を表示
具体的には、「レシートを読み取った後」のタイミングで広告を表示することで、ユーザーの目的がすでに達成されている状態を利用します。このタイミングであれば、広告表示がネガティブな印象を与えず、スムーズに受け入れられる可能性が高まります。
これらの工夫により、ユーザー行動の導線を阻害せず、UXへの影響を最小限に抑えながら収益を最大化することが可能となりました。
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続いての事例は、放送局アプリに特定のユーザー行動を行うことで報酬が発生するリワード広告を導入したことで大きな成果を上げたものです。
このアプリでは、毎日のログインボーナスとしてポイントが当たるガチャを引けるようになっており、リワード広告を見ることを通してもう1回引けることで追加ポイントを獲得できるようにしています。
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UXと収益性の両立ポイント
- ユーザーが「もう少し〇〇したい」と思いやすいタイミングで広告への導線を作ること
- リワード広告は、そもそもユーザー自身が「見る/見ない」を選択できる仕様であること。
これらの工夫により、リワード広告をうまく活用することで以下のような好循環が生まれています:
・ユーザーはポイントやコインをより効率的に貯められるようになる
・ユーザーはそのポイントを使う/より貯めるためにアプリを起動する
このような仕組みを通じて、UXを損なわずに収益性を高める効果的なサイクルを実現しました。
その他の広告フォーマット
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アプリ内広告のフォーマットには起動時広告、ネイティブ広告、バナー広告があります。
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例えば、キャンペーンやイベント情報を掲載している画面にネイティブ広告を表示する方法や、店舗でのチェックイン機能と組み合わせる手法、さらには電気やガス会社がポイント獲得の報酬としてリワード広告を活用する方法など、導入方法は無限大です。既存機能やユーザーニーズに合わせて広告をカスタマイズし、アプリの目的に応じた最適な広告運用を進めていくことが大切です。
広告導入の検討時に気になるポイント
広告の導入を検討する際には、どんな広告が表示されるのか、ユーザーが離脱しないかといった懸念があるのではないでしょうか。フォーエムでは、これらの懸念を解消し、安心して広告を導入いただけるよう、以下の3つの取り組みを行っています。
1.広告内容の品質管理
アダルトや宗教系などのコンテンツ、アプリの信頼性に影響を与えるような広告を排除するため、フォーエムでは以下の3つを中心に対策を行っています。
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ただし、システムでブロックしても審査を通過してしまう広告が発生する可能性があります。そのため、定期的に自社アプリに配信されている広告内容を確認し、品質を管理することが重要です。
2.ABテストによる影響の検証
広告導入がエンゲージメントやDAU(Daily Active Users)、セッション数に与える影響を検証するためfirebaseのRemote Config を活用したABテストを実施しています。
アプリのアップデートをユーザーにダウンロードしてもらうことなく、動作や外観を変更可能です。
現状ver.と広告導入ver.の2パターンを同時に公開し、一部のユーザーに広告配信を行った反応を検証。その結果、問題がないと判断された場合にのみ全ユーザーへの配信を開始します。このプロセスにより、広告導入に伴うリスクを最小限に抑えることが可能です。
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ユーザーレビューの適切な把握
最後に重要なのは、ユーザーレビューを適切に把握することです。
「なかなか手が回らない」といった声をよく耳にしますが、弊社のプラットフォーム「AnyManager」のディープレビュー分析機能は、こうした課題解決に大いに役立ちます。この機能を活用すれば、ユーザーレビューをキーワードやバージョンごとに分類したり、感情分析を行うことが可能です。その結果、ユーザーの具体的な不満を正確に把握し、適切な対策を講じることができます。
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また「広告に関するレビューがあったから、なんとなくアプリ内広告やめる」のでは、得られるはずの収益をみすみす逃すことに繋がります。そのため、レビュー分析を通してユーザーが嫌がるポイントを分析し、配信頻度や場所を工夫することで、UXを阻害せずに広告収益を向上させていくことが可能となります。
最後に
フォーエムは、高度な専門知識と運用実績をもとに厳格な審査を通過し、Google認定パートナーのApp Specialistとして認定されており、350以上のアプリマネタイズをご支援、運営してまいりました。
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ポイ活、ゲーム、SNS、ショートドラマなどさまざまなジャンルの支援実績があり、多角的な視点からの効果的な施策提案が可能です。本日お話しした内容について、さらに詳しくお知りになりたい方は、ぜひご相談ください。
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