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ライブコマースとは? 動画コマースとの違いやECでの成功事例を紹介

ライブコマースの導入でEC事業の収益を拡大したい方に向けて、ライブコマースの仕組みや導入するメリットを解説します。企業でライブコマースを始める方法や、ECでのライブコマースの成功事例なども併せてご紹介します。

EC事業の新たな販売手法として注目されているライブコマースを導入する方法や、メリットが気になる方もいるのではないでしょうか。

ライブコマースは、ライブ配信で消費者とコミュニケーションを取りながら商品をPR・販売する手法で、インタラクティブな購買体験でECサイトの収益拡大につなげられます。

この記事では、ライブコマースの仕組みや動画コマースとの違い、導入するメリットなどをご紹介します。

この記事でわかること
・ライブコマースの基礎知識
・ライブコマースの始め方
・ライブコマースを成功させるポイント

こんな方におすすめ
・ライブコマースをEC事業に取り入れてみたい
・ライブコマースで利用するプラットフォームの特徴を知りたい
・ライブコマースでECサイトの収益を拡大したい

1. ライブコマースの仕組みとは

ライブコマースは、ライブ配信(生放送)とEコマースを掛け合わせた販売手法です。

SNSや動画配信プラットフォームを利用したライブ配信で、商品の紹介やレビュー、視聴者からの質問への回答などをリアルタイムで行い、購買につなげます。

配信者には、SNSで影響力のあるインフルエンサーなどが起用されるケースが多く、臨場感のある購買体験を生み出すことができます。

1-1. ライブコマースと動画コマースとの違いとは

ライブコマースと動画コマースの根本的な違いは、動画が「生放送」であるかどうかです。

動画コマースは、あらかじめ録画された動画を配信しますが、ライブコマースはリアルタイムで顧客とコミュニケーションが取れる生放送です。

ライブコマースは、消費者の疑問や悩みをその場で解決できるメリットがあり、購買意欲のある顧客をより購入につなげやすい販売手法とされています。

2. ライブコマースの市場動向

ライブコマースの先進国は中国で、インターネット利用者の3割強以上がライブコマースで商品を購入した経験があるといわれています。

中国の調査会社「iresearch」の調査によると、中国のライブコマースの市場は、2020年までに17兆638億円に到達しており、2025年には100兆円を超える市場規模になると推測されています。

日本では、2017年頃からライブコマースを導入する企業が増えてきました。しかし、現時点で中国ほどライブコマースは普及していません。

マクロミルと翔泳社では、2019年に全国2万人の15歳〜49歳の男女を対象とした「ライブコマース利用実態把握調査」を実施。調査の結果、「ライブコマースをよく知っている」、もしくは「聞いたことはあってもよく知らない」という回答が全体の30%に満たない結果になりました。

日本におけるライブコマースの市場は伸び悩んでいますが、多様化する顧客ニーズに対応できる販売手法として、アパレル業界の企業や大手百貨店などで導入されており注目を集めています。

3. ライブコマースが注目される理由とメリット

EC事業者からライブコマースが注目されている理由には、今までにない新しい手法で商品をPRし、新規顧客を開拓できることなどが挙げられます。

また、インフルエンサーマーケティングとの相性もよく、通常の広告より顧客に受け入れられやすいメリットがあることもライブコマースが注目される理由の一つです。

3-1. ライブ配信自体がエンタメになっている

昨今における日本では、コロナ禍による巣ごもり需要の影響もあり、動画配信プラットフォームを利用するユーザーが増加しました。

ライブ配信は、エンターテイメントの一種としてユーザーに楽しまれています。ライブコマースによってインフルエンサーが商品をPRすることも珍しくなく、以前よりも消費者に受け入れられやすい環境が整ってきています。

3-2. 視聴者の疑問にリアルタイムで返答できる

ライブコマースでは、配信者(企業側)と視聴者(顧客)とがリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。

商品に対する質問にも、実際に商品を使ってその場で回答できるため、購入に悩む顧客の悩みをすぐに解消できるメリットがあります。

たとえば、アパレル関係の商品ではターゲット層であるモデルを起用して、ライブ配信中にリクエストのあった商品を着用させることができます。顧客は実際に着用したイメージが湧くため、そのまま購入にも繋がりやすい販売手法です。

オンラインショップ購入で最もボトルネックになる部分を解消できるのが、ライブコマースの一番のメリットといえます。

3-3. 商品の魅力を視覚的に訴求できる

ライブコマースで商品の魅力を視覚的に訴求することで、写真だけでは購入に至らない顧客の購買につなげるケースもあります。

たとえば、ECサイトの写真とは異なる角度から商品を見せたり、商品のサイズ感や素材、使い方を詳しく伝えることができるため、顧客の不安解消、購入後のミスマッチの防止が可能です。

3-4. 購入までの導線がスムーズ

ライブコマースは、商品の認知から購入までの導線がスムーズなため、顧客に与えるストレスが少ないのもメリットの一つです。

たとえば、以下のような形式で導線を引くことができます。

・SNSを利用する形式
・専用アプリを使用する形式
・自社ECサイト上でのライブ配信形式

アプリ内購入機能が実装されていないSNSを除き、購入までを非常にスムーズに誘導でき、従来のECサイトで起こるような離脱やカゴ落ちが抑制されます。

3-5. KOLコラボで新規層にリーチできる

KOL(Key Opinion Leader)とは、商品の販売促進で影響力を持つインフルエンサーのことを指します。

インフルエンサーを起用したライブコマースでは、インフルエンサーが持つ多くのフォロワーやファンへリーチできるため、新規顧客獲得に期待できます。

インフルエンサーと顧客でコミュニケーションを取ることでエンゲージメントも高まるため、リピーター育成にも効果的な販売手法です。

3-6. 商品企画・マーケティングに活かせるインサイトの獲得

ライブ配信中に見られた視聴数やコメントなどの顧客行動から、商品企画やマーケティングの戦略に活かせるインサイトを獲得できます。

ライブ配信のコメントは、ECサイトの商品レビューよりも手軽に投稿できるため、より多くの顧客ニーズを知ることができます。

たとえば、顧客から自社商品に関する要望があった場合、新商品を開発する際の意見として取り入れることが可能です。

また、複数のライブ配信で得たさまざまなデータを比較・分析することで、顧客の潜在ニーズを捉えたマーケティング施策に活かすことができます。

4. ライブコマースに使われているプラットフォームの特徴

ライブコマースは、大きく分けて3つのプラットフォームで活用されています。

①SNSのライブ機能
②ライブ配信サービス
③自社ECサイト

3つのプラットフォームの中でも、異なる特徴を持つさまざまなサービスが提供されているため、詳しくご紹介します。

4-1. Instagram

「Instagram」は、国内の月間アクティブユーザー数が3,300万人を超える、写真・動画共有SNSプラットフォームです。

Instagram内に実装されている「インスタライブ」というモバイル端末で行うライブコマースで、10代〜30代の女性を中心に自社商品をリーチできます。

インスタライブは、スマートフォンの縦画面で行うライブ配信で、視聴者はコメント・スタンプ・いいねなどのアクションで配信者と双方向コミュニケーションを図れます。

ライブ配信前に商品をコレクションに登録して商品タグを付けておくと、配信中に商品詳細ページへスムーズに誘導させることができます。ただし、日本ではチェックアウト機能が実装されていないため、決済に関しては外部サイトに遷移させる必要があります。

4-2. YouTube

「YouTube」は、月間アクティブユーザー数6,500万人を超える動画配信・共有プラットフォームです。

ライブ配信ができる「YouTubeライブ」は、モバイル端末以外にもPCの配信に対応しており、外付けのカメラ・マイクを利用することで、画質・音声にこだわったライブ配信ができます。


YouTubeライブは、アプリ内での購入はできないため、概要欄にリンクを貼り、ECサイトでの購入につなげる必要があります。そのため、適切なタイミングで購入を促すことが離脱の防止につながります。

YouTube内でSEO対策ができるため、狙いたいターゲットが検索しそうなキーワードを選定・設定することも重要です。

4-3. LINE

「LINE」は、国内シェア数80%という圧倒的な普及率を誇るSNSです。

LINEのアカウントがあれば気軽にライブ配信できる「LINE LIVE」は、若年層のアクティブユーザーを中心としたターゲットにアプローチすることができます。

YouTubeライブと同様に、商品購入の際はECサイトに遷移させる必要があります。

LINEでは、2022年夏を目処にライブコマースに特化したサービス「LIVEBUY(ライブバイ)」をリリースする予定です。

今後、よりインタラクティブ性の高いライブ配信ができるSNSになると期待されています。

4-4. ライブTV

「ライブTV」とは、「au PAY マーケット」に出店している事業者と顧客がリアルタイムにコミュニケーションを取れるライブコマースです。

スマートフォンやPCで配信することができ、配信者はコメント欄を見ながら視聴者の接客を行います。

ライブ配信中の画面右下にショッピングカートアイコンが表示されるため、スムーズに商品購入ページに誘導させることができます。

4-5. SHOWROOM

ライブのような演出にこだわったライブ配信プラットフォームの「SHOWROOM(ショールーム)」では、ライブとショップを掛け合わせた「SHOPROOM」をライブコマースに活用できます。

SHOPROOMでは、主に人気アイドル・タレントによるライブ配信が行われています。ライブ配信中に視聴者が気になった商品の画像をタップすると、商品の詳細や価格が表示され、「自分で購入する」「配信者にプレゼントする」のいずれかを選択する仕組みになっています。

多くのファンを持つインフルエンサーと親和性の高いライブコマースとして活用されています。

4-6. HandsUP

HandsUP(ハンズアップ)は、台湾発祥のライブストリーミングサービス「17LIVE」が提供するライブコマース支援ツールです。

伴走型ライブコマースソリューションとして、ツールの導入から定着、配信、分析に至るまで一気通貫でサポートするサービスです。

簡易的な自社ECの構築や、ライブ配信中にスムーズに購入につなげられるEコマース機能の実装、戦略策定をサポートしてもらえるコンサルティングによって、EC事業に詳しくない人でもライブコマースを始めやすいサービスです。

4-7. Facebook

「Facebook」では、インスタライブやLINE LIVEと比べて年齢層が高い人にアプローチできる「Facebookライブ」を利用できます。

Facebookライブは、配信中にコメントやいいねなどのアクションを行った視聴者とコミュニケーションを図りながら、商品やサービスの魅力をPRできます。特に30代以上の男女をターゲットとしたビジネスと相性が良いといわれているライブコマースです。

Facebookアカウントを持っていなくとも視聴できる仕組みのため、あらかじめさまざまなチャネルでライブ配信の宣伝をしておけば、新規顧客獲得につながりやすくなります。

4-8. TikTok

若年層に特に人気のある短尺動画プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」では、シームレスな購買行動ができる「TikTokShop」が海外で先行リリースされています。

TikTokShopは、ライブ配信中に紹介する商品にタグを付けることで、視聴者がECサイトへ遷移することなくミニストアで商品を購入できる仕組みになっています。

日本でも近々上陸するといわれており、中国ではすでにKOLコラボで頻繁に活用されているプラットフォームです。

5. ライブコマースの始め方

ライブコマースを導入する際は、紹介したい商品の選定や配信企画の策定、商品購入までつながる導線の整備などを行う必要があります。

ここでは、EC事業者目線でのライブコマースの始め方を簡潔にご紹介していきます。

5-1. メインで紹介する商品の選定

まずは、ライブコマースで売りたい商品を選定します。

相性が良いとされる商品のジャンルは、アパレル系・コスメ系・フード系などで、「狙いたいターゲット層に売れやすい商品」を選定することが重要です。

5-2. 配信・撮影環境を整える

カメラ・マイク・照明といった撮影機材やスタジオ等を準備します。 また、安定した配信が行える通信環境を整えましょう

5-3. 配信者の選定

配信者の選定は、ブランドイメージや商品の購入率に大きな影響を与えるため、慎重にならなければなりません。

自社ブランドのイメージに合っているだけではなく、商品に関して深い知識がある必要があります。ライブ配信を行うプラットフォームで影響力のあるインフルエンサーや、知識があり視聴者の質問に幅広く答えることができる店舗スタッフなどの選択肢があります

5-4. 配信企画の決定

ライブコマースの配信企画は、商品の魅力やブランドイメージが伝わりやすい内容にしましょう

さらに商品に関する裏話や開発秘話など、ライブコマースでしか知ることができない情報を盛り込むことが、顧客エンゲージメントの向上につながります。

5-5. 商品購入までの導線の整備

どのプラットフォームでライブコマースを始めるかによって、商品購入までの導線が異なります。

販売機能が実装されていないプラットフォームを利用する場合、商品を購入・決済できる自社ECサイトをあらかじめ用意しておく必要があります。

決済手段については、顧客属性に合わせて選定するとカゴ落ちの抑制になります。

オンライン決済で利用率の高いクレジットカード決済をはじめ、キャリア決済・コンビニ決済・ID決済なども設定することで、ライブコマースを頻繁に利用する若年層の顧客にも対応しやすくなります。

5-6. 集客

ライブコマースの視聴者はモバイルユーザーが多い傾向にあるため、SNSを活用した集客施策が効果的です。

SNS以外でも、ECサイトのチャットコマースやメルマガ経由、ライブコマース用のLP(ランディングページ)などが集客数アップにつながります。

6. ライブコマースを成功させるポイント・注意点

初めてライブコマースを導入する際、配信トラブルやイレギュラーを想定した準備が大事です。

また、ライブ配信に起用するインフルエンサーはブランドのイメージに影響を与えるため、インフルエンサーマーケティングに会社へ依頼することも検討しましょう。

6-1. 配信トラブルを避ける事前準備

ライブ配信が中断しないように、本番用の機材を使ったテストは入念に行いましょう。

確認しておくポイントは映像・音声・通信などで、不要な物が映り込まないような環境づくりも必要です。

ライブ配信に慣れないうちは、台本やタイムキーパーを用意してタイムマネジメントを行い、スムーズにライブを進行させましょう。

6-2. 事前告知とリマインドでの集客

ライブコマースの配信日が決まった後は、WebサイトやSNSなどで事前告知をしましょう。

さらに、リマインドを設定することでユーザーのライブ配信の見逃しを減少させることができます。

たとえば、インスタライブなら、事前告知の投稿を見てリマインドを設定したユーザーに対して、ライブ配信の前日とライブ配信開始15分前に通知を送信することが可能です。

6-3. 配信中のイレギュラーを想定しておく

ライブ配信中は、視聴者によるネガティブコメントや通信障害などのイレギュラーを想定し、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。

たとえば、コメント欄を管理する担当者を用意し、不適切なコメントをしたユーザーがいた場合にコメントを非表示にするなどの対処が可能です。

ライブ配信中のイレギュラーによってブランドのイメージが損なわれる可能性もあるため、しっかり準備して本番に挑みましょう。

6-4. 起用するライブ配信者の選定・ディレクション

起用したライブ配信者の発言や視聴者の対応なども、ブランドのイメージに影響するため注意しなければなりません。

たとえば、インフルエンサーを起用した場合、視聴者はブランドの顔として認識します。ライブ配信中に不適切な振る舞いをしないように、しっかりディレクションしておくことが重要です。

6-5. 経験豊富なインフルエンサーマーケティング会社への依頼

ライブコマースは、事前に施策の目的を明確にし、適切な時間や頻度で実施することで成果につながります。

思わぬ事故によってブランドのイメージが低下することを防ぐためには、配信全体のアウトラインの作成や、自社ブランドと親和性の高いKOL選定・ディレクション・スクリプトの作成などが不可欠です。

自社にライブコマースのノウハウがない場合には、経験豊富なライブコマース運営代行会社に依頼することでリスクマネジメントになり、成果につながりやすいライブ配信が可能になります。

7. ECでのライブコマースで成功事例を紹介

ライブコマースは、業種を問わずEC事業と相性が良く、大手企業も続々と導入しています。

ここでは、ECでのライブコマースで成功をおさめた3社の事例をご紹介します。

7-1. 三越伊勢丹

日本を代表する百貨店事業を展開する「株式会社三越伊勢丹」では、2019年11月にスタートしたライブコマースで成功をおさめています。

特徴的な事例に挙げられるのが、三越伊勢丹で販売している加工食品を使った、有名イタリア料理店のシェフによる料理配信です。

2020年までに、ライブコマースで3万人以上のユーザー数を獲得し、新規顧客開拓の成功事例として話題を集めました。

参照元

7-2. ベイクルーズ

「ジャーナルスタンダード」や「スピック&スパン」などのアパレルブランドを手がける「株式会社ベイクルーズ」は、2021年7月からライブコマースをスタートしています。

インスタライブや自社ECサイトなどでライブ配信が行われており、自社の製品を着用したモデルと司会者による、軽快な掛け合いと語り口の良さで多くの視聴者を集めています。

動画配信経由で1週間に2,500万円を売り上げたブランドもあり、顧客目線に立った見やすさと出演者の笑顔によって成功をおさめた事例です。

参照元

7-3. FANCL

創業1981年の化粧品・健康食品製造・販売会社の「FANCL」では、コロナ禍での新たなコミュニケーション手段を確立するために、2021年7月から「HandsUP」でのライブコマースをスタートしています。

初のライブ配信は、FANCLの商品企画担当者と広告宣伝担当者の2人が出演し、自社製品や毛穴ケアなどを紹介。このライブ配信の企画では、クイズパネルを用意し、視聴者がコメントで回答することで双方コミュニケーションを図るなどの工夫が見られました。

2022年には、ライブショッピングの配信回数が100回を超えています。メインターゲットが視聴しやすい、毎週火曜日の20時から約30分間の定期的な配信を行うなどして成功をおさめた事例です。

参照元

8. インフルエンサーを起用したライブコマースをAnyMindがサポート!

リアルタイムで視聴者とコミュニケーションを図り、購買につなげるライブコマースは、EC事業の収益を拡大する販売手法として注目されています。

ライブコマースを始める際は、配信前にはトラブルやイレギュラーを想定した準備を行い、多くのフォロワーやファンを持つインフルエンサーを起用するなどして、新規顧客獲得を目指しましょう。

AnyMind Groupでは、ライブコマースに出演するインフルエンサーの選定やキャスティングのサポートをはじめ、施策の立案から実施、効果測定に至るまで包括的にサポートを行っています。

ライブコマースの配信企画の策定や配信者の選定でお悩みの場合は、「AnyMind Group」までご相談ください。

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