今回は2020年5月27日(水)にオンラインで行われました当社主催のウェビナー「現地担当者が語るASEAN最新トレンドと新型コロナ影響下の海外マーケティング最新動向」のイベントレポートをお届けします。
当日は2時間におよぶ長時間のセミナーにも関わらず、国内外から300名近い方にご参加をいただき、また5ヵ国・地域以上を繋ぐという初の試みであったため、非常に進行や運営なども心配ではありましたが、参加者の皆様のご協力もあり、なんとか無事に進行することができました。
改めて弊社運営・登壇者一同より改めて感謝しております。 お忙しい中ご参加いただいた皆様ありがとうございました!
では以下で当日のイベントの様子を一部になりますが、ご紹介させていただきます。 本イベントレポートの詳細について、またはその他のご相談はお気軽に問い合わせください。
AnyMind Group PR事務局:jp-pr@anymindgroup.com
——————–
イベント概要
新型コロナウイルス感染拡大の鎮静化は未だ明確でなく、長期化は避けられません。 特に東南アジア・香港・台湾などAPACエリアでも、国によって経済活動を再開している国もあれば、見通しの立っていないエリアもあり、地域や国によって大きく状況は異なります。 そんな中、海外事業においても打ち手に困っていたり、実際の現地の様子が把握しきれていなかったり、様々な課題を抱えておられる企業担当者が多いと思います。今回のイベントにおいては実際に各現地で活動する日本人担当者をオンラインで繋ぎ、各国の最新情勢・トレンドについて共有させていただくとともに、withコロナ、アフターコロナにおけるマーケティング・プロモーションの現地の最新事例や今後の動向や対策などについてお伝えしていきます。
AGENDA
東南アジア・台湾・香港の現在の状況 ・各国の経済、政府対応の状況(ロックダウンなど) ・新型コロナウィルスのインパクト前・後の影響と現在の様子 国・地域別のトレンド・最新事例レポート 1. シンガポール 2. タイ 3. マレーシア 4. 香港 5. 台湾 6. ベトナム 7. インドネシア登壇者
小堤 音彦(Chief Commercial Officer 兼 共同創業者) 齋藤 陸(Regional Account Director) ■各国担当 シンガポール :田代 光(Manager, Advertiser Engagement) タイ :芝尾 匡人(Deputy Head, Advertiser Engagement) マレーシア :伊藤 広絵(Manager, Advertiser Engagement) 香港 :花岡 寿(Senior Executive, Advertiser Engagement) 台湾 :近藤 晶保(Advertiser Engagement Executive) ベトナム :秋元 貴澄(Senior Manager, Account Strategy) インドネシア :勝村広樹(Business Development Executive Advertiser Engagement) ■モデレーター 吉地 大(DOU Creations Pte Ltd 代表)——————–
まず、挨拶に変えて、弊社CCO兼共同創業者の小堤が会社説明と東南アジアの基礎情報について述べました。 本パートでは、アジア各国の人口推移やネット普及率・SNS利用率、宗教や民族構成など基本的な各国の総括を語りました。 また、一方で「インフルエンサーマーケティングの盛り上がり」、「PC<モバイル文化」など各国に共通して見られる特徴についても紹介しました。
続いて、Regional Account Directorを務める齋藤がシンガポールより登壇。
今回のイベント開催の趣旨と狙いについて話したほか、アジアにおけるマーケティングにおいて重要な3つのポイントについて述べました。 ①メッセージの変化 →顧客コミュニケーションの変化:企業が一般消費者に寄り添うように →個性のあるメッセージング:大変なことも明るく伝える「東南アジアスタイル」 ②消費行動の変化 →保存食や医薬品の消費は増加。一方アパレル、家具など非必須商材は減少。 ③メディアの変化 →WEBニュースなどの閲覧数は増加、一方広告単価はは低下 →○○チャレンジなどがSNSで流行。また、TikTokのユーザー数が急激に増加。
次にモデレーターを務める吉地氏が新型コロナウイルスによる事業への影響に関する現地情報のシェアを行いました。 まず、吉地氏は全世界そしてアジアでのコロナウイルス流行の推移について話した後に、それらが巻き起こしたコンシューマービジネスにおける変化やアジアで起きている現象などについて触れ、ネットビジネスのさらなる加速や旧来型のビジネス破綻の可能性などを事例と共に紹介しました。 ①インバウンド需要の変化 ②第二波への備え ③顧客コンタクトポイントの変化
各国レポート
ここからは各国担当者が現地の新型コロナウィルス感染拡大の影響や、現地トレンドについて語る各マーケットからのレポートです。1.シンガポール
シンガポールにおいては帰省やソーシャルディスタンス対策も非常に厳しく、ロボット犬なども導入され、国ぐるみで感染防止を図っているというユニークな現状について語ったほか、コロナ収束後に備えたインバウンド旅行者向けのキャンペーン施策などについて事例と合わせて語りました。
2.タイ
タイでは国内最大のお祭りとして知られる「ソンクラン」さえも延期になるほどの異例の対応が取られており、またユニークなトレンドとしては小学から加入できる「コロナ専用保険」などのサービスも出てきており、芝尾本人も加入していると話しました。
また消費者の日常生活様式に変化が現れて変化が現れていることについても触れ、これまでにない程、オンライン上で消費・投資活動をするきっかけが広がっていると語ったほか、タイならではのマーケティング戦略として、財布の紐の緩みやすい月末の給料日のタイミングに、インフルエンサーや広告施策などを打つことは有効であるとシェアしました。
3.マレーシア
マレーシアでは5/4からは規制がなだらかに緩和。割引などのプロモーションが有効な国であるにもかかわらず、生活必需品以外は買い渋られている状況であることについて語り、流行やトレンドという面で考えると、オンラインエクササイズなど在宅需要に関連する商品やサービスの消費が増えていることなどについて語りました。
またケーススタディとして、「ハリラヤ」と呼ばれる一年の中でも最も重要なイベントにおいて、自粛生活を余儀なくされている状況下でも、オンラインで最大限楽しめるという共感・励ましの中に購買促進メッセージを入れ込んだコンテンツを発信している3社の事例を紹介しました。 ちなみにマレーシアは世界で最も安く五つ星ホテルに泊まることのできる隠れた魅力もあるとのことでした。
4.香港
香港に関する他国との大きな違いは”SARS”を経験しているため、自主的に貿易措置を行っている人が多数。そして大規模デモなどもあり、”巣ごもり”には慣れている。という特徴について語りました。
また今後の動向については”リベンジ消費”や”リベンジ旅行”が期待できる。また外出自粛に伴い、ECでの商品購入が増え流に従って、口コミのレビューを重視する傾向にあり、KOL活用施策なども有効だと考えられる。というマーケティングのこれからについても語りました。
5.台湾
台湾については対応が早かったこともあり、45日間の感染者数0に伴い、徐々に従前通りの生活が戻ってきたことに触れ、下半期からは経済も回っていく。旅行などは難しいものの、消費活動・投資も改善していく見通しだという見解を述べました。 また台湾の特徴として、SNSの利用率が人口対比89%と世界2位の高水準であることについても紹介しました。(日本は65%程度)
6.ベトナム
ベトナムではコロナ感染による死亡者は0名。4/1~4/19まで約3週間のロックダウン措置を行い、感染防止対策を行っている点について触れた上で、交通量もロックダウン前に戻り、飲食店等、店舗も通常通りに再開。国内の人気スポーツ、サッカーのリーグも再開していると紹介しました。
また全体的なデジタルの利点として、現地のインフラが整っておらずとも、アイデアの力でマーケティングやプロモーションができるのが利点であるとも語りました。
7.インドネシア
インドネシアのリアルな写真を用いて現地の様子に触れ、現地では政府の要請を無視して、かなり外出している人も多いものの、全体としては感染者数も減っており、徐々に対策も緩和されてきていると語りました。
現地では”なんちゃって”Social Distancing(形ばかりのソーシャルディスタンス。一席開けるなど)の台頭と「巣ごもり需要」が定着してきていると話し、インターネット上での検索ボリュームの観点から見て、下記を紹介しました。 下記のワードの検索ボリューム増加:Daily Essentials Booming、Donation、E-learning、Medical Consultation 一方下記は減少:Mobile Phones & Electricity、Fashion & Accessories、Beauty & Cosmetic、Travel & luggage
最後に
まとめとして、Regional Account Directorの齋藤が再度スピーカーとして登壇し、総括を述べました。 「国の対応により状況は大きく異なっているが、その中でいかにコロナ収束後、最適な打ち手を見いだせるかが課題であり、下記のようなポイントを改めて各国・各市場で鑑みながら動いていく必要があります。」 「どの企業や自治体においても、対象となるマーケットが今、どのフェーズにあるのかを把握した上で、適切な打ち手を講じることが重要。 「一方で、コロナ禍においてはじめてECを使い、その便利さに気付いた人も多く、この変化は大きな今後の時代の変革をもたらしていく。」 そして、最後のまとめとして、 「どの国、産業においてもデジタル化は確実に今後急速に進むため、各事業者は的確に状況は把握しながらデジタルシフトを進めていくべきである。」
と語り、本イベントは締めくくられました。
——————–
今回のイベントに関する資料や動画データの提供依頼や、その他ご相談は是非、下記の問合せフォームからご連絡頂戴できれば、各国現地担当者含め、必要に応じて適宜対応させていただきます。 いつでもお気軽にお問い合わせください。 長文にもかかわらず最後まで読んでいただき、ありがとうございました。