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AnyMind Group

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1年で生産性2倍へ──AnyMindが挑むAIネイティブ化とは

―AI-Native Companyへの進化に向けた、組織・プロダクト・サービスの変革―

AnyMind Groupは、すべての事業と組織にAIを組み込むことで、アジアを代表する「AI-Native Company」への変革を進めています。

私たちは、「1年で生産性を2倍にする」という目標のもと、業務・プロダクト・人材のあり方をAIを前提に再設計を行っています。すでに、100以上のAI活用のプロジェクトを全社で進めており、各所で業務効率化やサービスの強化といった具体的な成果が生まれています。


1. AnyMindが目指すAI-Nativeな未来

私たちが目指す「AI-Native」とは、単にAIを業務のアシスタントとして“使う”のではなく、人の業務をAIがエージェントとして“自律的に行う”ことが当たり前になっている状態を意味します。

このような環境では人の役割も大きく変化し、日々の業務を手作業でこなす「実行者」から、AIがスムーズに動ける環境を構築・最適化する「設計者」「環境整備者」「戦略立案者」へと役割を移していくことが求められます。AI活用の成果を最大化するためには、人間の構想力と設計力がこれまで以上に重要になります。

また、個人に求められるスキルにおいて特に重要なのは、自分自身の専門知識や経験を、文脈・背景・前提について、AIが活用可能な形に“コンテキスト化”する能力です。さらに、言葉のニュアンスや感性といった明確なルールでは定義しきれない人間特有の感覚やふるまい、身体性も、今後ますます価値を持つ要素となっていくと考えられます。

私たちはこの「AI-Native」という概念を、単なる技術導入ではなく、人と社会の在り方を進化させる象徴的なキーワードであると捉え、全社員・全拠点で自らを変革することで、新しい価値をクライアントや社会に力強く届けていきます。


2. AIとの対話で業務が完了する ~コンテキストベースの統合AI実装モデル

私たちが注力するモデルのひとつは、ユーザーが自然言語で対話するだけでAIが業務を完了する、自然言語入力を起点とした「コンテキストベースの統合AI実行モデル」です。

これは、日常的に使っているチャットなどのインターフェイスで自然言語による対話をするだけで、社内に蓄積された業務データやドキュメント、顧客管理などのツール上のデータ、WEBサイトやSNSなどの外部公開データを、文脈に沿って横断的にAIが参照・分析し、適切な業務アウトプットを生成する仕組みです。

鍵となるのは、日々の業務で発生する「文脈」を記録・構造化するインフラの整備です。私たちは、議事録、レポート、提案資料、チャットメッセージ、キャンペーン画像といった、従来は一元管理されていなかった非構造データまでを蓄積・整備する環境の構築を強化しています。

数値データだけでなく、テキスト、画像、資料などが構造的に保管され、AIがセキュアかつ円滑にアクセスしやすい環境をつくることで、業務自動化やサービスの高度化といったAIの実践的な活用の成果が飛躍的に高まります

さらに、AIが適切に機能するためには「人の伴走」が不可欠です。AIは大量のデータからパターンや関連性を読み取ることに長けていますが、その出力を理解し、状況や目的に応じて意思決定を行うのは人間の役割です。私たちは、自らの知識や経験をもとに、コンテキストに沿ったAIとの対話を通じて協働できる人材の育成や、ナレッジの整備を進めています。

「AIと共に働く組織」を実現するには、テクノロジーの導入だけではなく、人とデータの関係性そのものを再設計することが不可欠だと、私たちは考えています。


3. チャットツール x AI エージェントで顧客情報の管理業務を約800時間削減  

私たちは全拠点・全事業を対象に、日常業務のワークフローを詳細かつ網羅的に洗い出しました。それらを集約・分析することで、全社的に高い効果が見込める業務領域を特定しています。各領域に対して、AI活用のベストプラクティスの考案とAIエージェントの開発・実装を推進し、これまでに100以上のプロジェクトが事業・組織を横断して進行しています。

その事例のひとつが、ビジネスチャットツールを起点とした顧客情報管理の自動化です。

従来、案件や売上実績の管理にCRMツールを利用しており、複数の管理画面をまたいで情報を手動入力・更新する必要がありました。月間4,500件を超える登録、15,000件以上の編集が行われており、作業負担や一部で更新エラーが起きていたほか、月末に編集が集中することで、月中でのデータのリアルタイム性や信頼性の向上も課題となっていました。

そこで、業務プロセスを抜本的に見直し、日常的に活用されているチャットツールから自然言語で一言入力するだけで、CRMツールへの情報登録を完了できるように再設計し、自社開発のAIエージェントである「AnyAI」によって、ユーザーのメッセージを柔軟に解釈し、必要な情報を抽出・変換したうえで、自動的にCRMツールに反映できる仕組みを構築しました。

同僚や上司に送っていたチャットメッセージひとつで、チームへの情報共有とCRMのデータ更新を同時に完了できるようになり、更新頻度の向上やヒューマンエラーの防止、情報の信頼性向上につながっています。

さらに、「AnyAI」は高精度な自然言語処理を備えており、ユーザーは自身の母語で指示を出すことが可能です。これにより言語スキルに起因する負担を軽減し、グローバルに展開する私たちのビジネスにおいて、非常に大きな効果を発揮しています。

この実装により、月間で約800時間相当の業務時間の削減が見込まれ、メンバーがよりクリエイティブで付加価値の高い業務に注力することができます。さらに、リアルタイムかつ精度の高い情報が蓄積されることで、経営層による迅速で的確な意思決定にも貢献しています。

このような、具体的かつ多面的なAI実装を通じて、AI前提のグローバルスタンダードな業務フローの構築を進めることが、私たちがAI-Native Companyへ進化するためのステップです。


4. 自身の変革を、クライアントの新しい価値へ

私たちは、AIによって変革された自社の業務プロセス、プロダクト、そして人材こそが、クライアント企業にとっての新たな価値につながると信じています。

こうして培われた実践的なナレッジと仕組みは、「AnyAI」をはじめとするプロダクト群を通じて社外にも広く展開され、企業のAI-Native化、業務変革、そして新たな価値創出の支援につながっています。

AnyMind Groupは、アジアを代表する「AI-Native Company」として、来年迎える10周年とその先に向けて、業務のあり方そのものを根本から進化させ、社会全体のビジネス変革を力強く加速させてまいります。

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